難病を持っていることがわかってから、描いていたビジョンは全て崩れた。大好きな踊りを続けて、いつか大きな舞台に立つ!っていう夢を持っていたけど、運動制限もかかるし通院も増えるしで、前のようにはいかなくなった。どんなに頑張っても趣味の延長。
正直、やりたいことを見つけるのに必死だった。これまで楽しいと思っていたことを奪われて絶望に突き落とされた気分。おまけに、私の母親は頼りにならなかった。病気の話をすると、パニックを起こして頭がおかしくなる。それに、私自身も本当の自分を見失った。
これまでみたいに、いつでも明るく元気でポジティブな私…。そんな私でいたいけど、もはやできなかった。絶望的で、無理やり笑っていることしかできなかった。それでも、なぜか知らないけどみんなの前では前の自分でいたくて、必死に明るくて元気なふりを続けた。病気のことも誰にも言わなかった。
けど、そんなことをしていても限界が来るわけで…。限界が来たことがある。もう死んでやろうと。こんな、自分のいたい自分でいられない状況で必死に生きていても仕方ないと…そう思って。頑張るのをやめようとしたことがある。
そんな時、私を引き戻してくれたのは…大切な人だった。私が、直感で話してみたいと思った大人。何が理由かはわからないけど、追い込まれているその時に話したいと思った相手。そこまで面識もなかったのになぜか私はその人に惹かれて、気がついた時には病気のことを打ち明けていた。
私は今、その人がいてくれたからめげずに生きている。生きることから逃げずに過ごせている。本当に素敵な相手…。こんな、奇跡みたいな人に出会えた私は幸せ者だなって思う。