別れはいきなり訪れた。
二人は順調に見えた。
彼から告げられる理由も、なんか納得できない。
彼以外のみんなが、二人は順調だと思っていた。
「今になって考えてみたら、
あの態度は彼なりの別れの合図だったのかもしれない」
彼女は大きなしこりをぐっと飲み込むように言う。
「価値観の違いはあったけど、でも、好きだった」
さらにごくっと飲み込んだ。
好きな人はたくさんできる。
その中で付き合える人は限られる。
だから好きな人と付き合えるのはすごく嬉しい。
でも心や言葉がすれ違う人は、やっぱり続かない。
すれ違うのに、好きなままだと虚しく寂しい。
「こうなると分かってた気がする」
すれ違いを凌駕するほど彼は彼女にハマらなかった。
彼女はそれに少し気づきながら、彼にハマっていった。
「次はもう少し楽しい恋がしたいね」
彼女はずっと我慢していた。
彼からの連絡が少なくても、愛情表現が乏しくても、笑ってた。
でもそれが本心ではなかった。
