時の過ぎ行く早さはとてつもない。
あれから喫茶店をたたんでしばらく隠居生活を堪能していた父も二年半前に罹患した胃癌の転移が見つかり腸閉塞にまで至る。

本人の希望で『切らない』選択をし、現在はイレウス管を入れつつ点滴で栄養を補給しながら緩和ケアに移行した。

父に出来るだけ顔を見せたいと毎週見舞い、体調の良し悪しに一喜一憂しながらも会う機会を大切に過ごすことが一番の私の活力だった。

そんな中、インフルエンザ大流行。

医療機関はどこもかしこも院内感染を予防するために入院患者への面会を禁止にしてしまい、余命を意識せざるを得ない父でさえ面会は許されない状況になってしまった。

これほどまでにインフルエンザを世の中から消し去りたい、根絶させたいと憎んだことはない。怒りのぶつけどころがどこにもないのだ。

会えない辛さがつのる毎日を過ごしているうちに、ますます私はかつての喫茶店への思い入れが深まり、父の姿を形にして残したいと決意。

当初はやるまいと思っていたフィギュア作りに取り掛かる。

作りはシンプル。
針金を使って骨組み、石粉粘土で盛ってデザインナイフで彫り込む。

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1/20というスケールはもちろん踏襲するので、父の身長を考えながら慎重に骨組み。
シャレではない。

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神奈川の実家に喫茶店のミニチュアがあるため東京の自宅で椅子を仮に作って座らせる。

まだイメージが固まらない。
なのに勢いそのままに石粉粘土を盛る。

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そこにいたのは
ベイマックスじゃねーか

まて、今までだって何とかしてきた。
大丈夫だ。

根拠のない自信が
何故か良い方向へ導いてくれた。

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ミラクルとしか。

しかし、フィギュア作りあるあるの
『着色前が一番良かった』が
その後現実となってしまうのだった。