1g数万~!伽羅とは

 

 

 

沈香の中でも最上質とされる伽羅について

簡単に申し上げるならば最も価値の高い香木と言えます。

具体的に現在では1gあたり数万~(品質によりけり)

 

下記に記す内容は私の経験則、学んだことなどからお話させて頂きますのでご容赦ください。

 

 

一般の沈香と異なる点(見分け方)を五感に基づき記載していきます。

 

1、視覚

最上質のものはまるで宝石のように輝いているものもあり

一般的な沈香は茶黒系の樹脂のみ確認できるが伽羅は赤油、緑油など

様々な色が散見されますが、もちろん茶黒系の油のみで形成される伽羅もございますのでその場合はその他の五感に頼ることで解消されます。

 

2、嗅覚

五感の中で最も大事なのが嗅覚

伝書によると苦(味)を伴うことが多いとされますが

実際には様々で甘、苦、辛、酸、鹹、全てを兼ね備えているのもあれば一種の味のみ兼ねている伽羅もございます。

この味についての表現がどの書籍を見ても抽象的で非常に分かりづらいと言えます。

強いて言うならば伽羅を焚いた際、明らかに他の香木にはない香気の充満の速さ、持続性が別格。

嗅覚での判別は日々、香木を聞香し様々な香りを聞くことで伽羅独特の香気を判別できるようになるかと思いますので一番鍛錬が必要な難しい判別方法であると考えられます。

 

3、触覚

手に取って重量、質感を確かめる方法

基本的に上質な物は樹脂を濃密に含んでいますので見た目より重く感じることが多く、さらにはお皿の表面についた油を拭き取っているかのような感覚になる伽羅もございます。

また、一般的な沈香などは硬さがあり刃が滑らかに通らないのですが、伽羅を切る際はまるで柔らかいものを切っているとうん感覚です。

視覚、触覚を合わせることでより外見上での判別が捗ります。

 

4、聴覚

香木の内部の状態を表面から手でコンコンと叩くことで

内部がどうなっているかおおよそ判別する方法。

表面に樹脂が詰まっているにも関わらず内部には全くというのもあり

空のような場合は甲高いカンカンというような音が鳴ったりします。

ただこの方法は私自身はあまり使わないのとそんなに大きな香木に出会うこと自体がないため推測に近いところがありますし、伽羅の判別というよりかは香木全体の判別方法として使用される方法です。

 

5、味覚

おそらくこれが一番分かりやすい方法でしょうか。

伽羅を口に含み木自体を甘噛みすると舌が痺れるような感覚を感じることができます。これは一般的な沈香にはほとんどないため口に含むことができる環境下で購入できる際は大きな指標となります。

必ずしも痺れるかと聞かれるとそうではないと答えますが、多くの上質な伽羅は必ずと言っていいほど痺れますので、痺れなかった際はその他の五感での判別をし当てはまるのが多ければ伽羅である可能性が高くなり、少なければ伽羅でないという判断を下します。

 

 

 

長文になってしまいましたが

どこからが伽羅かというのは非常に議論となる場合が多く

今回記載した考察はあくまで私個人での判断基準です。

 

香舗によって判断基準が異なる場合もございますし

個人によっても判断基準というのは違います。

今後も様々な先人の知恵、経験に基づいて考察された意見を多く聞き

さらに正確と呼べるような考察を述べていければと思います。

 

 

最後に、見栄えの良い大きな伽羅を所持していないため

画像に山田松香木店主人の山田英夫著「香木のきほん図鑑」から画像を引用させて頂きました。

非常に多くの種類の香木達の写真が載っていますしそれぞれの特徴が分かりやすく記載されています。