アニメ化前に。

 

 

【初めに】


僕が最近ラブコメラノベを読み出したきっかけかこの作品。

PVが気になっていて、そういえばこの手のラノベって久しく読んでないなと思って。

まともに読んだの冴えカノくらい。


2022年7月から放送開始なうえ、最新9巻が同月1日に発売なのでどうしてもこのタイミングで掲載したかったのです。

なので必然的に考察対象は9巻までです。


ここからはざっくばらんに行きます。


【アニメ】


とりあえず真っ先に触れなければならないのは、アニメ化に関してです。

具体的にいうと「どこまでやるのか」。


あまり詳しくないので僕の中での参考例は少ないのですが、原作をいろいろカットして3〜4巻くらいが通例なのかなと。

キリが良いのは恐らく4巻の水斗&結女回でしょうね。


ただPVを確認した感じ、1巻の範囲では下着を拾う回以外は全て映像化されており、その下着回も1巻のクライマックスであるデート回の伏線になっているので、1巻はほぼほぼやるのではないかと。


そうなるとよほど原作改変しない限り4巻には届かない気がします。

かといって2巻だといさな回ながらもキリは良いけどあまりにも進みが遅いし。3巻はそもそも川波&暁月回なのでキリが悪いし。


どうすんだろ。結論は出ず。


【あらすじ】


中学生時代につき合っていた伊理戸水斗と綾井結女。

二人は中学卒業のタイミングで別れる事になるが、その直後に両親が再婚し、二人は義きょうだいに。(綾井結女は伊理戸結女になります)

表面上はいがみ合っているものの、実はお互い未練があるようなないような。


初期設定がぶっ飛んでるのはフィクションならではのの事で個人的には特に気にならず。

逆に大した理由もなく一人暮らしをしている主人公の家にヒロインが入り浸るテンプレの方が違和感を感じるので、こういった理由で二人がひとつ屋根の下で生活する方が説得力があります。


あとこれはあらすじで書く事ではないかもですが、義きょうだいが故に下手にくっつくと家庭環境がこじれるという問題も孕んでいるので、二人がくっついてハッピーエンドにならないのがまた面白いところ。

ここについては本作中でもあとがきでも触れている、この作品独自の持ち味ですね。


【東頭いさな】


いきなり主人公である水斗や結女を飛ばしていさなの話をします。

ぶっちゃけこの作品の諸悪の根源であり最大のキーパーソンはいさなだと思います。

とにかく独自の性格と恋愛観の持ち主で、水斗や結女を始めとしたいろんなキャラを引っ掻き回します。


2巻のメインキャラであり本巻中で水斗に告白して振られ、それでも3巻以降も水斗に対して異様な距離感で近づき、水斗は受け入れたり拒絶したり、結女は横で見ていてハラハラドキドキ。

5巻で水斗との交際疑惑が持ち上がり、結局お互いに一線を引いた後は水斗と結女の応援をする立場に変わるのですが、性格が災いして思いがけずに二人の関係をギクシャクさせたり。


6巻では水斗の本当の気持ちを自覚させたり、8巻では水斗結女ではないですが愛沙の二度目の告白のアシストをしたり。本人としては他の人の助けになるような振る舞いを見せているのですが、いかんせん水斗との距離感が変わらないので以下略


結女はいさな、暁月、生徒会メンバーなどの影響を受けながら水斗との距離を測りますが、水斗はいさなと川波くらいからしか影響を受けないため、事実上水斗と結女の両方に直接干渉出来るのもいさなだけです。

全てはいさなの掌の上というわけです。


ここからはメタ発言になりますが、まともな言動も非常識な言動も出来るいさなは、作者からするととても扱いやすいキャラになっています。

先程水斗と結女に直接干渉出来ると言った通り、二人を近づけたかったらいさなにアシストさせれば良いし、逆に遠ざけたかったら水斗に近づいて水斗の気持ちを自身に向けつつ結女を困らせればよいわけで。


前者は暁月や生徒会メンバーでも出来ますし、後者は川波辺りを使っても行けますけど、いさなを使うのが一番手っ取り早い。あまり連発すると飽きられますが。


本作のメインストーリーが水斗と結女の関係性であり、そこに一番引っかかるのがいさな、というお話。


【伊理戸水斗】


理屈系主人公。

結女への想いを自覚しつつも、付き合ったあとの人間関係(特に家族関係)を優先的に考えてしまうため、つい結女を突き放してしまう残念な子。


学内成績次席、本気を出せば主席を取れるけど興味がないので結女に譲っている。

とにかく乱読家で、ミステリーオタクの結女やラノベオタクのいさなとも話が合う。

ぼっちではないけど特定の友人を必要としないため交友関係は少なく、川波やいさなくらいしか友人がいない(どちらも向こうから寄ってくるだけ)。


様々な苦悩や葛藤を乗り越え、9巻ラストでついに結女に告白しました。長かった。

まぁ苦悩や葛藤のほとんどが自身の交友関係の狭さに起因していて、結女の言動の真意を掴めないまま振り回された結果拒絶したわけで。

9巻でそこに気づいて結女に寄り添ってからはあまり時間はかかりませんでしたね。

まぁ結果オーライとしておきましょう。


【伊理戸結女】


感情系ヒロイン。

水斗への想いを自覚してからは直接的&間接的に水斗にアプローチするも、大抵タイミングが悪かったり後手に回ったりで水斗に振り向いてもらえない残念な子。

序盤から水斗に対してマウントを取りに行きますが、2:8で返り討ちにあいます。凝りませんね。


学内成績主席の優等生。上手く高校デビューしたおかげで見た目もスタイルも性格も良く人気も高い。

交友関係も広く持っているが、元々の人見知りを克服出来ていないため積極的に交流を持つタイプではない。友人を作れるけど作る気のない水斗とはいろんな意味で逆。

他人に聞けない疑問についてはネットの情報を参考にし、そのたびに水斗に突っ込まれています。


4巻にて水斗の裏の顔を知る事により水斗への想いを強く持ち、それ以降は水斗から告白されるように立ち回ります。

年内に告白されるようリミットを設け、残り数秒で悲願を達成します。長かった。


【他のキャラ】


・川波小暮&南暁月


水斗と結女の親友ポジション。

二人は幼馴染で元恋人。ただ暁月の異常なまでの執拗さに川波が耐えきれずにトラウマを抱えて破局、以降川波は女性への好意に対して拒絶反応を示す体質になってしまいます。


暁月は登場時点ではその執拗さを継続していましたが、途中から自覚したようで常識の範囲内に収めつつ、後半は川波のトラウマの克服の一助になります。


水斗や結女に干渉する機会も多いですが、途中からは二人の話がメインになってくるので親友ポジというとちょっと違うかもですね。


・生徒会メンバー


紅鈴理(会長)、亜霜愛沙(副会長)、明日葉院欄(庶務)、羽場丈児(会計)と星辺遠導(元会長)。

鈴理だけは6巻から、その他は7巻から登場。


大体恋愛ポンコツ。

鈴理は羽場に、愛沙は星辺に想いを寄せていて、欄はそもそも恋に疎く、男性陣は大体日和ってます。


5巻辺りで水斗、結女、川波、暁月、いさなだけでは話を展開出来なくなったため、新たにメンバーを追加した感じですかね。

8巻の旅行回で生徒会メンバーと既存メンバーを合流させて人間関係を複雑にし、さらに話を作りやすくする狙いも。


愛沙と星辺は順調ですが、他の面々はどうなって行くのか。欄に明日はあるのか?


【好きなセリフ】


「たとえあなたが、どれだけ綾井結女を好きだとしても── 」

「──伊理戸結女(いりどゆめ)が、絶対に、口説き落としてあげる。」


ここですね、間違いない。4巻ラストのこのセリフ。


直訳すると、

「水斗の心の中に昔の自分(綾井結女)がいたとしても、それ以上に今の自分(伊理戸結女)を好きになってもらう。そのために水斗から自分に告白してもらう」

って感じ。昔付き合っていた時に告白したのは結女からなので、逆に水斗から告白される事で昔の自分を超える事になる、と。


まぁ直訳してしまうと陳腐な表現になってしまう(僕の語彙力のせいでもある)のですが、名字が変わった結女だからこそ使えるフレーズなのがグッと来ました。


ちなみに9巻ラストで水斗から告白された結女は、

「──どうだ、綾井結女。 これで、私の勝ちだ。」

と言ってますね。先程の4巻の伏線、ここで回収。


【今後】


9巻にてついにくっついた水斗と結女ですが、最初に言った通りくっついて終わりにはならないわけで、ここから新たな問題が浮上します。


一番はやはり家族への影響。親にバレても問題は避けられないし、恋人として別れてもきょうだいとしては別れられないし。水斗が懸念していたのはまさにここ。

今後はこの辺を中心に描いて行くんですかね。となると起承転結の転が終わって、結に突入したのかも。


それからいさなの動きも気になります。水斗への想いは捨てきれていないながらも、一方で二人へのメッセージとなるイラストを描いてもいますし。

まぁいさなの事ですからまた引っ掻き回してくる可能性は充分にありますね。

もちろんクリエイターとしての出番はあるでしょうし。


【その他】


追記があればこちらに。



こんなところで。