【賭けをしよう】  甘/及川さんがヘタレています。





「岩ちゃん、岩ちゃん!」
「なんだよ、うざ川」
「ひどい!せっかくこの及川さんが岩ちゃんを迎えに来たのに・・あれ、岩ちゃん!?」

まだ、しゃべり続けている及川を置き去りにして
俺は体育館へと歩いて行った。


「ひどいよ岩ちゃん、おいてくなんて!」
「あ?俺は行くぞって言っただろ」
「えー!言ってないもん!及川さんが聞こえてないんだから言ってないもん!」
「うるっせぇ!部活しろくそ川!!!」

そういっておれは及川に向かってボールを
剛速球でぶち当てた。



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「「「「おつかれっしたぁー」」」」


部活が終わった頃はもう外はもう暗くなっていた。

「岩ちゃん、一緒にかーえろ」
「なんだよ。いつもそんなこと言わなくても帰ってんだろ。」
「んー。なんとなく言いたかったんだー」

ニッっと笑いながら及川は言った。



~帰り道~


「ねー岩ちゃん」
「なんだよ」
「次のIHでさ、賭けしない?」
「賭け?何賭けるんだよ」
「じゃーねー。IH優勝の試合で俺がサーブだけで5点取れたら俺のお願い聞いてほしいな~」
「取れたらな」
「え、いいの?」
「お前が今言ったんだろ。俺はその逆にしとくわ。お前が決めれなかったら俺の言うことをきく。どうだ?」
「なぁ~に~岩ちゃん。俺ができないと思てるの?」


悪戯な笑みでぷぷっと笑う及川に
俺はチョップした

「いったい!岩ちゃん!!!!愛情が痛い!!!」
「うるせーよ、へたれ川」


こんなやり取りはいつものこと
次の試合が最後だというのに俺たちはいつまでも変わらない距離で
それぞれの道を進むんだろうか。

「岩ちゃんしけた顔してるー。ふけるよ?」

及川のピースする指をへし折りそうになったのは
ものの秒だ。

「痛い、痛い、痛い!岩ちゃん痛い!及川さんバレーできなくなっちゃうから!」

なんで俺はこんなやつ好きになったんだろうな。

うるさいし
うざいし
それでもって切り替えの早さ
何かにつけて俺のことだけは気づくのが早い


「岩ちゃん俺のこと考えてたでしょ」
「お前本当、うざいな」

ジトっとした目で及川をにらむ

「あ、図星だー」
「うるせー///」

再び及川の後頭部にチョップを追加


「今日激痛愛情表現多くない!?」
「んだよ、嬉しいんだろドM川」

―― グイッ

及川がジャージの裾を握ったまま下を向いていた。

「なんだよ、及川」
「い・・・岩ちゃんなんて・・・」


喋りだしたのと同時に耳が赤くなっていくのがわかる。

「なんでお前照れて・・「岩ちゃんなんて、賭けに勝って俺のお嫁さんにしてやるんだからーーー!!!!!!!!!!!!!!」


!?


「ちょ、おま///」
「どう!恥ずかしいでしょ!覚悟してよね!!」

やっぱりこいつくそ川だわ・・・


まだ家まで数分かかる距離
俺たちは外だという事なんて忘れて
キスをした。


嫁になるまであと数か月と数日。




END。



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あとがき


あーあーあー。
ついにやってもうたな、及岩

ヘタレ及川さんが攻めです、はい。
ただ
及川さんが岩ちゃんってたくさん呼ばせたかったのと
赤面させたかったのと
もう、いろいろです←

早く結婚しろお前ら


泡沫。