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12時。
自転車で自分のエリアをパトロールしていると猫が気持ちよさそうに日向ぼっこをしていた。
ああ、幸せなのかな。
こんなことで幸せになれるのかな。
空を見上げると雲ひとつ無い青い空。
きっと風で全て流れてしまったから雲がないのかもしれない。
公園で鳩が噴水から出る水を飲んでいる。
今日は大規模停電だというのに、みんな知らん顔で過ごしている。
彼らのようになったらもっと早く地震を察知する事もできるのに、
誰かが居なくなって悲しむ事もないのに、
自分が死んでも悲しむものも居ないのに。
どこかが違うだけで、どこかが発達しているだけでこんなにも感情が違うのだろう。
こちらは安全で平和ボケしているのに、テレビの向こうの世界にこんなにも共感している。
自分にもこんな感情があったのだろう。
この両の目はモノを見るだけじゃなくて、悲しいことを証明できる。
ああ、悲しい。
悔しい。
もどかしい。
ああ、涙が出る。
ここは暖かいな。
今日もぐっすり眠れるのだろう。
そして、明日生きる保障のあるこの部屋の中で目覚める。
そう、当然明日も生きている。
明かりの無い世界も、当たり前のものが無い世界も知らない。
ああ、今日も幸せに暮らした。
当たり前のように暮らした。
なんてこの世界は不公正?
何も出来ないと嘆く人は、何かをやって偽善者と呼ばれてしまう人は、それでも自己満足だと言い聞かせてやり続ける人は、時々思い出して涙を流す人は、自分は無力だと考えてしまう人は、きっと感謝されている。
今、誰かの役に立てなくても感謝されている。
いつか、感謝される。
ああ、報われる。
空は繋がっているから、こっちの気持ちは空を通じてあっちの世界の誰かのもとへ。
そんなことを考えながら自転車をこぐ足に力を入れる。
幸せな世界が両サイドに広がっているから平和ボケが治らないのだろうな。
でも、この世界は好きな世界。
まだ見ることのできる目で焼き付けるつもりは無い。
だって明日もあさっても見ることができる。
ずっと残っていると思っているから。
だから治らない。
「被災者に寄付をお願いします。寄付金にご協力お願いします」
キュッと自転車を止める。
この目で焼き付けよう。
どっちの世界が本当なのか。
こんな自分でも必要なのだろうか。
いいのだろうか。
「お願いします」
ならば力になりたいな。
取り出すお財布。
幸い小銭がたくさん入っていた。
500円玉が3枚。100円玉が3枚。50円玉が1枚。10円玉と1円玉が少し。
その中から100円玉と50円玉、10円玉に1円玉を取り出し、募金箱へ入れる。
少しでも、少しでも。
お腹が空いた音がした。
周りを見るとなんでも揃っている。
選ぶ事ができる。
そんな立場でいられる。
お店に入ると少し暗かった。
節電しているらしい。
そういうことをしているところがたくさんあるみたいだ。
小さなことじゃない。
大きなことに見える。
どのくらい救えるのだろう。
「いらっしゃいませ。」
おいしそうな香りがする。
この香り、当たり前だったけど、今は?
お会計の時、これを出せば温かい、美味しいものがもらえる。
目を閉じて、テレビの向こうの世界を思ってみる。
やはり違う世界だな。
同じ空の下にいて、同じ人なのに。
こんなにも違う。
なんでだろう。
悲しい。
あれ?
あれれれれれ?
あれれれれれれれれれれ???
なんでお財布の中に300円しか入ってないんだよ。
これはあれか?
またお向かいさんのたぬきに化かされたか?
待て…考えろ。考えろ。
名探偵InBan。
…………
嗚呼…
そうか、私…
どうやら私、さっきの募金箱に500円玉を全て投入したようですヽ(;´Д`)ノ
被災者のみなさま。
どうぞ希望を捨てないで。
捨ててないと思うけど、絶望しないで。
こんなにも人が一致団結して被災者の方のために動いている事なんてない。
自分のことばかり考えていたらこの寒い空の下で募金活動なんかしないし、涙を流さない。
生まれた国が違ってもこんなに動かないし、考えたりしない。
決死の覚悟で動いたりしないよ。
誰が偽善だと思うかな。
この大停電の夜。
ふと、こんなことを考えてみたのでUPしてみました。
InBanの自虐ブログをお好みの方は次回をお楽しみ下さい。
ってか、ボンボクラッ!地震。
バイバInBan。