土曜日に少林少女が放送されるこの良き日に、姉がTSUTAYAonlineで少林少女を借りてしまいました…( ̄ー ̄;
こんな超うっかり者の姉ですが、今年Babyを出産する予定です。
チェキ。
『世界の終わりを、キミと…』
8.
考えてみればこれはチャンスだと思った。
なので、俺は今まで疑問に思っていたことを思い切って聞いてみることにした。
「あのさ、あなた達、こんなことして恥ずかしいとか思わないの? あたしはすごく恥ずかしいことだと思うけど」
言ってから、今まさに恥ずかしい思いをしているのは自分だと思った。
何を、二十五歳になる男が女の子言葉を使って、女子高生にお説教をしているんだか…
「なに? こいつ。超生意気なんですけど」
「もっとヤッていい感じだね」
今俺が恥ずかしさを押し殺して質問した内容が、なんと、彼らの闘争心を煽ってしまった様だ。
これはマズい。
この体はサチのものだ。
傷なんか付いたら天使に殺される。
「あのう~、話し合いをしませんか。人間なんだし、話せば分かると思うんですよ。あなた方が私のことをムカツクと思っているのなら、何に対してムカツいているのか教えてください。私はそこを治します」
さっきとは比べものにならないほど、丁寧に話をすることにした。
「は? 何言ってんの? バカじゃないの。アタシらがムカツいてんのは、あんたの存在なわけ。じゃあさ、居なくなってくれない?」
ああ~。
今、サチの意識を俺が支配していて良かった。
こんなヒドイ言葉をサチが聞いたら泣いてしまう。
なんで、同級生なのに、こんなにヒドイことが言えるんだ?
怖え~よ。最近の高校生は。
まあ、分かってはいた。
が、現実にこんな返し方をされると大人気ないとは分かっていても怒りがこみ上げてくる。
俺は、なるべく平和的に、そして、冷静に解決したかったがどうやら無理そうだ。
「じゃあさ、てめえらが殺してみろよ。この場で。アタシは何も抵抗しないから。さあ」
俺は両手を広げて見せた。
どうせ殺せないことは知っているので、カマを掛けた。
どうせ、彼らのような小さい人間にそんな度胸があるわけが無い。
その場の感情でそれこそ本当に人を殺してしまえば、罪の意識に苛まれるのがオチだ。
「う…うるせえな.。シャシャリやがって!」
俺の予想通り、彼らは怒鳴り散らすだけだった。
口では大きなことを言ってはいるが、実行できるわけが無い。
彼らだって、そこまでバカではないということだ。
「どっちがシャシャってんだよ。なにもできない小娘がでかい事言ってんじゃねえよ。どうせ、殺す勇気も無いやつらが」
スケ番か?俺は。
いや、スケ番ももう古いのか…サチの意識が無いのをいいことに俺は今まで我慢して、溜まったストレスを一気に開放した。
「もう、シラけたね。行こうか」
と、エリたちは腑に落ちない表情のまま背を向けた。
俺は、このまま見送るつもりだったのだが、どうしてもエリに聞きたいことがあった。
「あっ!ちょっと待って」
エリは振り向かずにそのまま止まった。
「ひとつ聞きたいんだけど、なんで、こんなイジメが始まったの?」
エリは俺がそう質問をしても、やはり、俺のほうに振り返らなかった。
だが、そのまま答えた。
「あんた、ムカツクんだよ。見てて。なんでもできるし、頭もいい。アタシに無い物をあんたは全部持ってる。腹が立ったからちょっとからかってやったら反応が思いのほかおもしろくてさ」
意外にも、エリは素直に答えた。
しかし、反応がおもしろかったと言った、エリの言葉にやはり、サチにも少し問題があったのだと確信した。
イジメは加害者だけの問題ではなく、大きくなるか食い止められるかは被害者の意識の問題も少なからずあるのだと俺は思う。
そりゃ、みんなみんな言いたいことが言える訳じゃない。
サチがそういう性格では何ことは分かっている。(この生活で)
だったら、その辛さを跳ね除ける勇気は一体誰が与えてくれるのだろう。
俺は、素直に謝ることを選んだ。
「ごめん。あたしにも悪いところはあったんだ。反感を買うようなことをしていたかもしれない。嫌な思いもさせてしまったかも知れない。ごめん」
俺は頭を下げた。
頭を下げながら、懐かしい感情がこみ上げてきた。
昔、俺はこうしてカナの両親に頭を下げた。
結婚を許して欲しいと。
何度も。何度も。
本当は、俺はサチにこんな偉そうなことを言える立場ではないのだ。
罪の意識から逃げ出した人間が、何を偉そうなことを言っているのだと、笑いそうになる。
世の中には、イジメを苦にして自殺してしまう子だってなかにはいる。
そんななかで、自殺をしないで、イジメに耐え続けていたサチを本来なら褒めてやるべきだ。
過去がどうとかではなく、今どうであるかを見てあげるべきなのに、俺は死んだ今も矛盾している。
「あ~あ。なんかマジでシラけちゃった。いきなり謝ってくんだもん。拍子抜けした。帰る」
エリはそのまままた歩き出した。
きっと、分かってくれたはずだ。
その夜、俺はサチにすべて話した。
明日学校へ行って、急にあの子達のサチへの接し方が変わったときに、サチがビックリしてしまわないようにだ。
順を追って、話した。
「また、あなたのお陰ね」
サチは笑って言った。
『そ…そんなことねえよ。俺はただ、サチを守ってやりたいと思ってだな…って、サチもう寝ちゃったのか』
はい。
サチのイジメの問題はここでENDとなります。
しかぁ~し、サチの問題はまだあるのです。
次回も哲朗の奮闘振りをご期待ください。
PS。私はこんな面倒な役はごめんですね。。。。。。。。。。
バイバInBan。