RASTA☆InBanです。



最近晴れた日が続いているので、ナンカ意味ないけど外出てます。



やっぱ人間も光合成が必要だと感じます。


酸素は出せないけどね…












『世界の終わりを、キミと…』




5.



その翌日もサチは話しかけられた。



今度は昨日とは違う子だったが、内容は同じだった。



サチはまた、“お役に立ち”に行った。




昨日と同じ教室に入るなり、二人の子はサチに当たり前のように金銭を要求してきた。



『ハァ? 五千円? エスカレートし過ぎだろ!断れ。サチ』


俺は必死にサチがかばんからお財布を取ろうとする手を止めた。



「(教科書買うんだって。無くしちゃったからって。これで授業に追いつけなかったら可愛そうじゃない)」



サチは言う。


『大丈夫だよ。こいつらいつも授業中寝てるじゃねえか。無くしちゃったとかの前に買ってねえって』



サチに要求する金額が上がっている。



絶対にサチのことをいいカモだと思っているに違いない。



そのうち、サチのおこづかいでは払いきれない金額にまで行ってしまうだろう。



そうなる前に食い止めないといけない。



サチに気付いて欲しい。



仕方ないので、俺は少しキツ目にサチに言う事にした。


俺が悪者になってもいいと思った。



『やめろ!あいつらサチのこといいカモにしか思ってねえよ。そんなの友達じゃない。サチは役に立ってると思ってるみたいだけど、あいつらにとってサチはただ金を運んでくるこうのとり程度にしか思ってねえよ』



言いながら後悔していたが、そんなこと気にしている場合ではないと自分に言い聞かせ、サチに言った。



結果的にこれでよかったとサチが後々思ってくれれば今は耐えられる。



「(そんなこと言わないで!なんであなたは人を信じるようなことをしないの? そんな人だと思わなかったわ。もっと、親切ないい人だと思っていた)」


そう、言って、俺の前を素通りして二人に五千円を渡してしまった。



「はい。これで教科書買ってね」



サチがこんなに自分の気持ちをストレートに言ったのは初めてだった。



俺はショックのあまり、その場に立ち尽くすしかなかった。



本当に、本当にショックだった。



きっと、生きていたときはこんなこと思っても、行動に移したことはなかった。



そういうことを避けて生きてきたから。


俺としては結構思い切った行動だったのに、報われなかった。



やらなきゃ良かったと後悔してしまうくらいショックだった。




俺はショックからしばらくの記憶は無かったが、気がついてまた怒りがこみ上げてきた。



それはサチに対してではなく、



『オイッ!どういうことだ?これは』


サチはまた話しかけられたのだ。



今日二回目だ。


しかも、声をかけたのは昨日サチから四千円を借りた子たちだ。


『サチ。聞いてるか。まず借りたものを返してからだろ? 順序があるだろ』



俺は恐る恐るサチに言うと、サチも同じことを思っていたようで頷いた。



「あのさ、…まず昨日貸した四千円を」


サチが勇気を振り絞って言うと、彼女たちはあっけらかんと言った。



「あぁ。ごめんねぇ~。バイトの給料が入ったら一気に返すからさぁ~。それまでいいかな?」


と、サチに手を差し伸べる。



『なにが「いいかな?」だ。フザケンナ!サチ。ガツンと言ってやれ。貸したお金が返って来るまでは貸せないって』



俺はサチがやっと分かってくれたかと思った。


だが、


「それじゃあ、仕方ないね。いいよ。今日は定期買うために結構お金持ってきたから貸せるわ」



また、サチは彼女たちを信じ、お金を渡してしまった。


『貸せる…って、サチはどうするんだよ。定期買うためのお金だろ? 貸したら買えねえじゃんか』



「(私はいいの。あの子達のためだもの)」



サチの純粋に人を信じる気持ちは重症だった。



きっと、あまり人と接していないからどんな人がいるのか分からないだろう。



それにしても、人を信じるにしても限度があるだろう。



俺はさっきのことと言い、もうちょっと言ってもいいのではと思いサチにお説教をした。



『サチッ!聞け。いくらなんでも限度があるぞ。一体この二日だけで何人にお金を貸したんだ? いくら貸したんだ? それが一円でも返って来たか? お人良しも大概にしろよ。サチは使われてんだよ。騙されてんの。いい加減分かれよ



静かな廊下は人の通る足音と、校庭で生徒たちが声を掛け合う声だけが響いていて、校内は静まり返っている。



授業が始まるチャイムが鳴るまで俺たちの周りの時間は止まっているようだった。



サチも俺もしばらく黙っていた。



そして、サチが口を開いた。



「(わ…私は、人の役に立てて、それが本当に嬉しかった。騙されてるなんて思ってもいない。なのに、なんであなたはそんなことばかり言うの? あなたが言ったのよ。私だって人の役に立てるって…。信じたのよ。私はあなたの言葉を。なのに…ヒドイわ!あなたなんか嫌い!もう話しかけないで)」




ガツンと頭を殴られた感じだった。


それからサチは俺がなにを言っても答えなくなった。



『ああ。そうか、シカトするんだな。分かったよ。勝手にしろ』


まったく俺は子供か。



いい年した二十五歳が十六歳とマジ喧嘩なんて…まったく情けない。




『本当に情けないわね。アナタに任せたアタシが間違いだったようね。あの子一人守れないなんて』



天使がやってきて言った。


『仕方ねえだろ。本当のこと言ってもサチは分からねえんだからよ。俺よりもあいつらを信じてるし。俺には何もできないよ。俺はこの役から降りてえ』


正直面倒くさかった。



もともと、俺が臨んでやりたかったわけじゃない。


強制的にさせられているだけだ。



楽になりたくて自殺したのに、意味が無い。



大体、生きている人間と死んでいる人間が分かり合えるはずが無いんだ。



現に、俺はサチを助けたいと言って、話し相手にまでなったのに、こうして傷つけてしまっている。









はい。



今日はここまでにします。



こういうイジメは最近では普通にあるみたいですよ。




果たして、哲朗は救うことができるのでしょうかね。



ちなみに、哲朗の課題はサチをイジメから救うだけじゃないです。





乞うご期待。



バイバInBan。