メリクリプレゼントInBanです。


今日は早速本題に入って参りたいと思います。


InBanからの小さなプレゼントですドキドキチェキッ。


受け取って。サンタさぁぁぁん音譜




※休憩をはさみながら、寛大な御心でご覧頂きたい





『14.  今時純情』   ⑥



水族館はここから少し歩いたところにある。


日曜日なだけあって同じ駅を降りた人のほとんどが水族館を目指していた。


「スッゲー人だな」


『なあ、水族館てどういうところなんだ?』



春姫が隣で水族館へ向かう人の波を見ながら聞いた。


そういえば春姫は外の世界のことはあまり知らないのかもしれない。


春姫があの部屋から出られるのは札を剥がした人とだけなのだから。



「(水族館ていうのはな、海の生物がたくさんいるところだよ。おもしろいぜ。春姫楽しみにしてろよ)」


春姫はワクワクした表情をしたので、俺は嬉しくなった。



「アツヤ。何嬉しそうな顔してんだよ。せっかちめ」


太一につつかれハッと我に返った。


そうだ。春姫の存在はここに居る誰も知らないのだ。




館内はとても広く、いくつものエリアに分かれていた。


俺たちはまず入り口付近の熱帯魚エリアにいた。


熱帯魚の水槽は大きく、色とりどりの鮮やかな熱帯魚たちが気持ち良さそうに泳いでいる。


階層がユラユラ揺れ、その中から小さなエビが顔を出したり引っ込めたりしている。



水族館なんて何年ぶりかと思うくらい来ていないので、このように美しい世界に見入っていた。


「美保ちゃん。あの中だと何が好き?」


「え?」


あの野郎…


太一は美保ちゃんに早速接触してきた。



せっかくきれいな世界に見入っていた美保ちゃんはこの迷惑な男のせいで現実の世界に引き戻されてしまった。


「はぁ~い。アタシ。アシカ好き」


綾ちゃんが割って入ってきた。


「ふ~ん。で、美保ちゃんは?」


太一は綾ちゃんを無視する形で美保ちゃんに質問を繰り返す。


「私もアシカ好きです」


美保ちゃんは少し困ったように答えた。


「美保も好きなんだよね~」


「じゃあじゃあ、美保ちゃんは何か動物飼ってたりする?」


「アタシはチワワ飼いたい!」


「美保ちゃんは?」


「私?私は」


「美保は猫派なんだよね」


おもしろいのが太一の質問に全て綾ちゃんが答えていることだ。


「どんな猫が好き?」


「美保は、アメショーだよね」


「う…うん」



「じゃあさ、美保ちゃんは…」

「ああ~!!もう、太一こっち!」


今まで黙って見ていたが、もう美保ちゃんがかわいそうなので、太一をヒトデやカニがいる水槽のところに連れて行った。



「どういうつもりだよっ!まだ会って少ししか経ってないのにそんなに質問攻めしたら向こうも困るだろうが」


俺は太一に小声で厳重注意した。


最初の印象が悪いときっともう会ってくれなくなる。


「分かったよ。ちょっと焦っちゃったかもね」


「焦ったもなにも太一が一人で突っ走りすぎなんだよ」


「てへっ☆」


「かわいくない(怒)」


太一へのお説教を終え、美穂ちゃん達のところに戻った。



「なあなあ。あっち行ってみねえ?」


懲りない太一が指した方向には海獣エリアの標識があった。


シロクマやアザラシ、そして、美保ちゃんの好きなアシカもいた。



しかし、真っ先に向かったのは綾ちゃんだった。


運のいいことにちょうどアシカたちのゴハンタイムらしく、飼育員がゴハンをあげている光景が見れた。


「見てみて~。美保、マジかわいい」


綾ちゃんはご機嫌だった。


「アツヤ~、あいつ魚丸のみしてるぜ」


そして、なぜか太一も。



そんな中、美保ちゃんの様子を見ることに夢中だった。


退屈していないか、疲れていないか。



『アツヤ。あれはなんじゃ?』


春姫がガラスの向こうを見ながら言った。


その先にはピョコピョコ歩いているペンギンの姿があった。


「(あれは、ペンギンだよ。鳥なんだよ)」


『お主は物知りじゃな』


春姫は感心したように言った。


その後も春姫はずっとペンギンを見ていた。


確かに春姫はペンギンを見る機会なんてないだろう。



「ねえ、あのさ、アツヤ君」


俺のジャケットの裾を掴んで話し掛けて来たのは綾ちゃんだった。


そして、俺をラッコのいる水槽に連れて行くと話し始めた。



「あのさ、分かってるか知らないけど美保はまだ男の子と付き合ったことないの。だから男の子が何考えてるか知らないわけ。だから、優しくしてあげて欲しいの。美保にあの男はキツいよ。あの子かなり困ってるからね。我慢してるんだから」



綾ちゃんの言葉で説明が付いた。


太一の質問に綾ちゃんが口を挟むのは美保ちゃんを守るためだったのだと。


「俺はてっきり太一の事が好きなのかと思ったよ」


「ふざけんな!!キライだよ!あんな男」


綾ちゃんにキライ!だとはっきり言われ、太一とはいい友達である俺としては少々気まずい…


話を戻して、確かに美保ちゃんは俺と二人で遊ぶ事にあんなにためらっていたくらいなのだから、男の子と付き合ったことがないと言われてもそれなりに納得がいった。


美保ちゃんを守れるのは俺しかいないのだ。


そう思った。



「なにやってんだ?」


太一が聞いてきた。


俺がいない間に美保ちゃんにちょっかい出してないかしつこく聞くと、太一は素直に何もしてないと答えたので信じることにした。


「なあ、お腹空かねえ?」


太一が時計を見ながら言った。



もうお昼の時間だった。


俺たちは最上階のレストランで昼食を取る事にした。


そこはイタリアンのバイキングで、眼下にはイルカショーが見れた。


「超~おいしい♪」


綾ちゃんは数種類ある料理の中から好きなものだけを選んで皿に盛っていた。



「美保ちゃんてベジタリアンなの?」


太一が美保ちゃんの皿に野菜しか盛っていないのを見て聞いた。


「緊張してるんだよね。美保」



綾ちゃんが言った。


「そうかもしれないね」


そう言った美保ちゃんがすごくかわいかった。


『アツヤ。あの子いい子じゃな』


春姫も美保ちゃんを誉めた。


しかし、この男はやってくれた。



「食べなよ~!これあげる」


太一は自分の皿に盛ったものを美保ちゃんの皿に移そうとしたので、俺は慌てて止めた。


「なんで止んだよアツヤ」


「太一の女好きの菌が美保ちゃんに伝染って、美保ちゃんが遊び人になったら大変だから」



俺は冷や冷やしていた。


それは美保ちゃんが明らかに嫌そうな顔をしていたからだ。


ただでさえ、美保ちゃんは男の人にいい印象を持っていないのだから。



「太一君だって全然食べてないじゃん」


「ああ。こいつはもともとあんま食べないんだよ。こいつは酒さえあればいいの」


「違うよアツヤ。緊張し・て・る・の」


「太一言っていい?」


「なに?」



「ウザい」


「はい…」



太一は静かにジュースを飲んだ。


「美保ちゃんイルカショー好きなの?見る?」


俺はイルカショーをちらちら見ている美保ちゃんに気付き話しかけた。


俺たちはそれぞれ向かい合って座っているので、美保ちゃんの様子が良く見えるのだ。



「イルカって頭いいよね」


美保ちゃんはイルカショーから目を離さないで言った。


「行ってみようか」


美保ちゃんの喜ぶ顔が見たい俺はまだ食べたりないような顔をしている綾ちゃんを説得して、イルカショーのやっている会場へ向かった。



しかし、イルカショーは終ってしまっていた。


「終っちゃったね」


次の公演までまだ時間がある。


なので、俺たちはまだ見学していないエリアを見ることにした。



歩いて行くと大きな全面に大きな水槽のある場所に着いた。


そこにはたくさんの魚が泳いでいて、まるで海の中にいるようだった。



ふと、隣の春姫を見ると、魚に夢中で思わず笑ってしまった。


春姫のこういう子供らしい一面はあまり見れないので、嬉しかった。


『何がおかしい?アツヤ』


「(別にぃ。あっ!あの魚は鯛だよ)」


『ほう。あれは食べたらおいしいのか?』


「(お刺身にして食べると美味いね)」


俺は春姫に話し掛けた。



「なあなあ。観覧車乗らない?」


「は?」


また太一が変なことを言い出した。


そして、こんな提案も。



「せっかくだし、二人ずつ乗ろうよ」


と、俺にウインクして見せた。


俺が感謝するとでも思っているのか?こいつは。



『お主、良かったではないか。これで美保と好きなだけ話ができるぞ。観覧車は密室なのじゃろ?』


春姫は含み笑いをして言った。


子供のする顔じゃないだろう…。


「(でも…春姫)」


『言葉はわしに任せろ』


「(そんなことじゃなくて…)」


『美保なら大丈夫じゃ』


そう春姫が言うので美保ちゃんを見ると、彼女は嬉しそうだった。


え?嬉しそう?


「私も観覧車乗りたかった!乗ろう。綾」


「え?」



綾ちゃんと俺の「え?」はほぼ同時だったはず。


美保ちゃんは女の子と男の子に分かれて観覧車に乗るのだと思っているようだ。


もちろん綾ちゃんはそう思っていない。


「美保…あのね」


と、綾ちゃんが美保ちゃんに説明してやっと美保ちゃんは理解したようだ。



しかし、やはり不安そうな顔だった。


「やめようか」


少々もったいないとは思ったが、美保ちゃんがいやなら仕方がない。



今日は美保ちゃんに嫌な思いをさせるために来たのではないのだから。


『アツヤいいのか?』


春姫は言う。本当は良くない。



「いいわよ。一緒に乗りましょう」


と、美保ちゃんはなんと、俺に向かってそう言ってくれた。



まだ、俺と美保ちゃんが一緒に乗ると決まったわけではないのに。



超嬉しかった。






はい。



疲れましたでしょう?



今日はスペシャルなんで、普段の戯言は削除してお届けしました。



しかし、また次回からはいつものように始りますので御覚悟を( ̄▽+ ̄*)




それでは良い夢を。。。。。。



バイバInBan。