さて、
前回
の続き。
大きなお腹がピョコピョコと動き始めた頃、お腹の中の赤ん坊が女の子だと発覚。
「女の子が良いよね~!」とか言ってた夫婦はバカ騒ぎ。
名前は「男の子用」と「女の子用」の2つを前もって決めていたのですが、決めていた名前に双方不満無し。
「ちょび」と呼び続けた日々は終わりを告げました。
つわりが無かった嫁だから、もしかしたら…と心配にはなっていましたが、早産だの流産だのなーんにも無し。
どんどん大きくなるお腹を撫でたり、突いたりしながら、娘の名前を呼んで、夫婦でニタニタ笑っていました。
いつ頃からか、指で突いたところに「ポコッ」と返事を返してくれるようになり、それでまた大騒ぎしたバカ夫婦。
妊娠中から音楽を聴かせると良い、というのは二人とも知っていたので、家中のCDをかき集めてひたすらかけ流し。
元々二人揃ってクラシックやジャズが好きだったのですが、その他に私はトランス(ダンスミュージック)が好きで、それもやっぱりかけ流し。
ん~、胎内教育としてはあまり宜しくなかったのかもしれません。
ちなみにその間、母親教室や両親教室といった病院主催の教室があったのですが、殆どに二人で参加していました。
お腹の大きくなった妊婦さんに、実際に分娩室を見せたり、分娩台に座って体験する、といったことも。
えぇ、やってきましたよ。砂袋で作ったおっぱいとお腹のベルトをつけて、
「妊婦はこれだけ歩きづらかったり、大変なのよ」を体験したり、
分娩室見学に至っては、
「パパも座ってみたら?」
とかいう嫁の一言で、前代未聞、男が分娩台で大股開き。看護師さん含め、全員に苦笑いされました。
そんなこんなでキャーキャー言いながら過ごす妊婦さん時代も終わりに近づき、5月に入った頃にはちょっとずつ「陣痛っぽいの」が始まっていたようです。
そして5月17日。
普段、私は出勤ギリギリまで寝ていて、嫁もそれを知っているはずなのですが、朝方5時に私を起こしやがりました。
何事かと思ったら、陣痛間隔がかなり短くなってきたとの事。
とりあえずそのまま起きて、8時前に会社へ連絡。
「すいませんごめんなさい嫁が産気づきました病院とか出産とか色々あったりするんで今日仕事お休みさせてくださいお願いします」
快く了承を頂いて、電話を切った30分後。
嫁:「なんか、陣痛間隔長くなったかも。」
オメー!もう会社に休みの連絡入れちまったじゃねぇかどーすん…ま、いっか。
予定日より2週間ほど早かったのですが、いずれにせよ陣痛の間隔はかなり短くなっているので、思い切って休んで散歩に出かけました。
二人でお腹の中の娘に話しかけながら、適当に近くの公園とかサイクリングロードへ行ってみたり。
嫁:「はーやくでってこーい」(ピョンピョン飛び跳ねる)
私:「お前はバカか!」
そんなで2時間ちょっとの散歩道。嫁が立ち止まったかと思うと、
「あ…来るかも…イタタタタタ…」
そりゃあんだけ飛び跳ねてりゃ娘だってビビるでしょうに!
ひとまず急ぎで自宅に戻り、病院に電話の上、最低限の入院道具(事前に病院から貰ってたヤツ)を持って病院へ。
速攻で陣痛室に入って横になりました…ら、
嫁:「あれ、また落ち着いたかも…」
ナニー!おめーは一体なんなんだ!!
とかなんとか思ったり思わなかったりしつつ、まぁとりあえず今のウチに飯を食えとなり、駆けつけた私の母と3人で晩飯。
そして18時ごろ、いよいよ嫁の陣痛が本格的になってきました。
叫ぶ嫁、腰をさする私、弁当を食う母。
腕が痛くなると母と交代し、私はオニギリを食べつつ、ビデオを撮ったりしてました。
ちなみにこのビデオカメラ、12月末に「絶対使うよね!」と、8万円近く出して買ったもの。
それが今となっては、ハイビジョンカメラで5万円って…泣きたくなります。
閑話休題。
そんな陣痛も夜通しで続き、私と母は交互に嫁の腰をさすりつつ仮眠をとりつつ。
その間、嫁はずーっと「いたたたたたた」と絶叫。
そして、夜が明けた頃、どう考えても出勤はムリと判断、会社に改めて電話。
「すいませんごめんなさい今病院の陣痛室で昨日からずーっとずーっと陣痛が続いててまだ産まれないんですあーもーホントごめんなさい今日も休ませてください後日休み入れ替えますから」
快く了承いただきました。ホント感謝です。
さて、陣痛室に戻って、嫁と空腹と眠気と格闘を繰り広げていたところ、助産師さん登場。
「出産の時、研修生を立ち合わせても良いですか?」
…ウチの嫁、初産っすよ…そんな余裕の無いところに研修生って…と思ったのが本音でしたが、なんだかんだと話の流れで立ち会う事に。
そして再び助産師さん登場…時間はちょうど11時。
「あれ、いつの間に破水してたの?とにかく分娩台ー!」
なんだかよくわかんないけど、私は立会い出産にてビデオカメラを回す責務を負っていたので、嫁に続いて分娩室へ。
娘が出てくるところ見たいけど、そんな部分が録画されたら親戚とかに見せられないし、でも見たいしもーあー!!
結局、局部が映らない、かつ私が少し背伸びをすれば目視で娘の出てくるところが見えるポイントを発見し、そこでひたすら撮影。
…と思っていたのですが、「深呼吸して…はい、イキんで!」の繰り返し、しかも場所移動無しの絵なので、途中で一旦テープを止めました。
テープを止めた瞬間、「ほら、頭出てきたよ!」との助産師さん。今テープ止めちゃったよ!っていうかどっちにしてもそれは映せない!
そして、分娩台に座ってからたった20分で、娘は産声を上げました。
産まれてきたその小さな命は助産師さんから嫁の腕の中へ入り、すぐにおっぱいを飲み始めていました。
そんなシーンをビデオで撮影しながら、私はなんだか不思議な気分でした。
なんと言葉にしたら良いのか、よくわからないような。
ひとまず五体満足かを必死に確認してはみたものの。
嫁の頭を撫でて「よく頑張ったね」と声をかけたものの。
でもただ一つ、本当に可愛い。
他に例える事が出来るものなんて無いくらいに。
そして、このあまりに可愛い命を、しっかり育んでいかなくてはいけないと、改めて思ったものです。
それから先の事は、実はあまり覚えていません。
嫁はそのまま産後入院、殆ど徹夜状態だった私は自宅へ戻り、速攻でバタンキュー。
そんな2年前の出来事。つい昨日のように思えてしまうくらい、人生の中で一番大きな出来事でした。
で、その2年後。
こうやってブログのネタにされるようなおバカな行動やトンデモ伝説を作ってくれる娘は、まことに元気です。