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マックス・ウェーバー『職業としての学問』を買ったので読みました。
80ページ足らずの文庫本なのに、読み終わるのにめっちゃ時間がかかりました。
文章自体が難解なのと、話が飛んでいて読みにくかったからです。
超有名社会学者の講義録で、一般教養として、現代の学生にも必読書です。
マックス・ウェーバーとは
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20150320/22/utidamai/d1/c1/j/t02200289_0325042713250708819.jpg?caw=800)
1864~1920年。ドイツの社会学者・経済学者。近代における社会科学の方法論を確立し、
論文「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」をはじめ、
「儒教と道教」「ヒンドゥー教と仏教」「古代ユダヤ教」など、
宗教と社会との関係を論じた第一人者です。
職業としての学問が書かれた時代背景
『職業としての学問』は1919年、第一次世界大戦の最中にミュンヘンでウェーバーが行った講演の記録です。
当時の若者は、「認識を超越した体験」を求めて、単なる教師に飽き足らず、
自分達に道を示してくれるような「指導者」を大学に求める状況でした。
ウェーバーはこのような風潮を若者の弱さであるとし、
学問の本質を理解していないと「いいから日々の仕事に帰れ!」と怒っているかのようにこの講演をしたということです。
当時のドイツでは、第一次世界大戦の敗戦が濃厚となりつつあり、
混沌とした世の中で自分探しに明け暮れる大学生の間では、「学問が人生や世界の意味を明らかにしてくれるのではないか?」
という期待感が生まれつつありました。
本書は、そのような時代にヴェーバーが、
「意味を一挙に解明してくれるような超越項など存在しない」と言い切り、
「学問を職業とするかぎりは、取り組むべき根本問題に、着実に、日々コツコツと取り組め」と説いた学問論です。
本書の内容の要約と感想
私が思うに、本書の内容は主に4つあります。
大学の重要ポストに就けるのは運次第、スペシャリストになれ、指導者と教師は違うので講義で政策論を話すべきでない、特定の価値観が良いと決着をつけるのはただ「運命」のみという4つの事です。
【大学の重要ポストに就くのは運次第】
『職業として学問をすることには二つの異なる能力が関係する。
一つは「研究者としての能力」もう一つは「教育者としての能力」である。
教育者としての能力は学生を多く講義に集められるかどうかで数学的に計ることができるが、
研究者としての能力は計ることができない。
そして、学生が多くあつまる講義というのは、教師の気質とか声の調子とかカッコよさの外面的な要素に依るのである。
こうした外面的な要素を持って生まれるかどうかは全くの運である。
だから、もし職業として学問をするなら、
自分よりも「研究者としての能力」の低い人間が先に昇進していくという現実を突き付けられなければならない。
ドイツでは大学に職を得ることができるか、
教授などに昇進できるかは研究能力には関係なく、まさに運といういい加減な要素で決まる。』(本書の要約)
【スペシャリストになれ】
『学問的な「オリジナリティ」は、ひたすら研究に専念することで次第ににじみ出てくるもの。
ある学説の解釈に夢中になれるかどうか。これで学問の向き不向きが分かる。』(本書の要約)
-感想-
これだけを読んで「ヴェーバーの言うとおり専門分野に閉じこもらなければならない」と考えるのは早すぎます。
自分が専門分野に閉じこもりたいので、ヴェーバーのこの言葉が魅力的に映るわけです。
それ以上深く考えることなく満足できてしまうわけです。それではダメで深く考えるようウェーバーは言っています。
【大学の講義で政策を話すべきでない・指導者と教師は違うもの】
『街頭演説と違って反論する人間もいない環境であることをいいことに大学の講義で政策やどう振舞うべきかなどについて語ることはやってはいけない。
地味な真面目な学問を取り扱う「教師」の講義はつまらなく、若者たちはすべての問題を一挙に解決する「指導者」を求めている。
それは真面目な学問に堪える強さを持たない、誰かに自分を導いてほしいと意味を求める若者が弱いのである。
この真面目な学問に堪えられない若者は職業として学問をするのではなく、大学の外で宗教や政治家などの職業に従事するのが良い。
誰かに問題を一挙に解決する答えを教えてもらいたいという姿勢で、「学問」に向かうとき、私たちは何かを「学んで」いるのではない。
あらかじめ自分の心の奥底で「そう言って欲しい」と思っていることを
権威ある教授の口から言ってもらえ、満足しているに過ぎない。
有能な教師たるものがその第一の任務とするべきものは、
人気を取る事ではなくその弟子たちにとって都合の悪い事実、たとえば自分の派閥的意見にとって都合の悪い事実
のようなものを承認することを教えることである 。』(本書の要約)
【特定の価値観が良いと決着をつけるのはただ「運命」のみ】
『学問は究極的な1つの価値観を支持することはできない。
学問的に特定の価値観が良いと決着をつけるのはただ「運命」のみであるから自分の世界観と整合する立場を取って自ら責任を取らなければならない。
科学がいくら進歩しても、世界の価値や生きる意味を示してはくれない。
むしろ科学は世界に意味がないことを明らかにしてきた。
世界の価値や生きる意味は各人が、自分の生活上の観点から与え、解釈するもの。』(本書の要約)
-感想-
これは「世界に正しい価値観など無い」「生きる意味なんて無い」「正しいことなんて無い」などということでは無いです。
かの有名なニーチェは「意味は自分が考えて決めるものだ」と考えていました。
職業としての学問の感想
学問ひとつをとって、これほど多くの論点を持ち、多彩な表現をできるのはマックスヴェーバーぐらいしかいないと思います。特に学問に対する姿勢を述べている箇所が感心深いです。
これは学問に限らずあらゆる職業に共通することだと思います。
『学問をやる際に大切なのは、
人から認められたくてやっていたのではダメで、その学問自体を夢中でやる事が大切』
誰かに認められるためではなく、本当に好きな事を上手になれって事ですね。
有名になりたいから、他人に褒められたいからという理由でやった仕事はどこか突き抜けず、
頑張っても二流三流にしかなれないということです。
マックスウェーバーの本を読む上で、
『職業としての学問』
はマックスウェーバーの中では読みやすく入門書としてオススメです。
ウェーバーの情熱が伝わる名講演です。
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学問はどうあるべきかについての、
近代ドイツの天才からのメッセージ。
「何者かになりたい」と夢を見る若者たちに、
「現実的に仕事をしっかりやれ」と叱咤する。
時代を問わず「若者」が勉強に向かう際のありがちな誤りを諫めています。
これを読んで、学問をするとはどういうことか、
じっくり考えてみて下さい。
もっとも、この時代の背景や展望がもっと知りたいなら、
岩波新書の『マックス・ヴェーバー入門』(山之内靖著)と並行して読むといいでしょう。
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