一晩だけ帰省した折、母に聞いた話
4年前他界した父の幼なじみが、前日お参りに来てくれたそうだ。
元気でしたかとたずねると、今年の始め、倒れて手術をしたのだと言う。
救急車で病院に到着すると同時に意識を失い、真っ暗闇のなかをひとり歩く自分。
背中の方から光が射し、暗闇の先には出口が。
そこには父が立っていたのだというのだ。
その話を聞いて、小躍りしたくなるほど嬉しくなった私。
父が亡くなった時、一体父はどこに行ってしまったんだろう、実家に電話したら
なんだか父が「おう」と、出そうな気もする。と、何度も思った。
一体、父はどこに? 2年ほど、喪失感から立ち直れなかった。
父親役としては、及第点におよばなかった父かもしれない。
母はたいそう、苦労した。
だが、たくさんの人に愛され、惜しまれたひとだった。
「あの世」というものがあるのなら、そこで元気にしていると、聞いた思いだった。
身体をむしばむ病気で、そうとう痛い思いをした、でももう、父は痛くないのだ。
父の人となりを表す1枚
お酒とお祭りを心から愛していた
いまだに、これを遺影にすれば
良かったと後悔している
実家から帰ったその日、犬森の仲間とバーベキュー
父のことを思い出すことは少なくなったけど、
時々、お酒の席にいる気がしてならない