多感な年頃と言うが、当時のうてなも、文字通り多くを感じる少女だった。


クラスメイトのオーラが邪魔で黒板が見えなかったり、校庭での体操は、彼等の動きと共に変形するそのエネルギー体を、最後列から不思議な気持ちで眺めながら行った。


就寝中は身体から抜け出し、高い樹の枝に腰掛け、精霊と遊んでいたりした。


その林はうてなの実家と地続きで、中程には島のある池があった。


ある夜、その水面に泳ぐ蛇を見て怯えていると、精霊に大丈夫だよと慰められたこともあった。


当時はそれらが何なのか知らなかった。

オーラという名称さえ。


精霊は樹に宿るものだった。

トトロだ。

アニメとは全く違う形状だけど。


それらの記憶が夢だったとして胸にしまい込んでも、忘れられないことがある。


近い未来のことだ。


続く