元旦。
いつもなら届くはずの、友人からのあけおめLINEがこなかった。
うてなには、ある予感があった。
昼過ぎてから、こちらから送ってみる。
すると、他県に嫁いでいる彼女の娘から12月に他界したとの返事があった。
残念な予感は的中してしまったのだ。
あの頃、しきりに彼女の顔が浮かんだのも、やはりこういうことだったんだな。
これまでも、夢に導かれることの多かったうてなだが、サロンのお客様のひとりだった彼女と親しくなったきっかけも、夢だった。
その夢の中で誰かが話していたのだ。
「夫の不貞を知っても、彼女はどうすることも出来ず、苦しんでいる…。」
目覚めたうてなは、それが誰のことなのか知る由もなかった。
ところが、ある日、来店した彼女を見て直感したのだ。
傍目には、一族で手広く会社を営む直系経営者の妻であり、全国でも有数の高級住宅地に豪奢な邸を構え、幼い頃から何の苦労もしていない、ふんわりした優しい印象の奥様だった。
その彼女に向って、うてなときたら、いきなり言ったんだ。
「あの私夢を見たんだけど…。彼女は、夫の不貞を知ってもどうすることも出来ず、苦しんでいるって…。」
全部話し終わる前に、彼女は泣き出した。
そして、「誰にも言わないで。お願い。」と哀願したのだった。
それから、彼女は、大切な友人となった。
ヒーリングを封印していたうてなだったが、そんな彼女を遠隔でヒーリングしたのは、昨年6月初旬のことだった。
症状はかなり悪かった。
が、数日続けるとかなり良くなり、満一歳を迎えた孫らと外出出来るまでになったと喜んでいた。
これで終えようと思っていたが、続けて欲しいと頼まれた。
そこで、少し長いと思ったが、ヒーリングの期間を二ヶ月に設定した。
そのふた月が過ぎる頃、うてなが倒れた。
寝込んでしまってから、きつくてあまり歩けず、足腰の筋肉が落ちてしまうほどで、復調に時間を要した。
ヒーリングはエネルギーのやり取りなので、多少なりとも受けてしまう。
重い症状なら、尚更のことだ。
だから、ずっと封印していたが、今回は何とかして受けない方法でと考えてはいた。
うてなの体力が戻り、再びヒーリングできることを望んでいた彼女だったが、エネルギーのことが分かるのか、これ以上迷惑はかけられないから、今度は自分で乗り越えるとも言っていた。
或いは、その頃、夢の中で伝えてきたのは、彼女の潜在意識からの声だったのかもしれない。
「もうすぐ死んじゃうし、残りの人生は楽に楽しく生きていくわ」と言っていた。
でも、やはり、うてなは残念でしかたがない。
どうしても考えてしまうのだ。
彼女がアレさえ打っていなかったら…と。
ヒーリング中、うてなが受けた波動はアレの薬害だった。
直接の死因も、やはり血液に関わるものだった。
初発の直腸も乳房も手術は成功していたのだ。
回復していたはずなのに。
当初、病状を尋ねても彼女の口は重く、うてなはそれを訝しく思っていた。
心配させないようにとの心遣いだと思おうとしたが、モヤモヤしていたのだ。
彼女はずっと、うてなに言えなかったのだ。
アレを打ったことを。
そのことを、遂にうちあけた時の、胸のつかえが下りたような、晴れやかな笑顔を思うと悲しみが増してしまう。
それにつけても、
どうして医師は、あれだけ体力も免疫力も落ちている患者に対して、アレを強要するのか。
普通の予防注射でさえ、風邪症状や熱でもあれば中止するではないか。
それなのに、入院や治療と引きかえにするなんて、弱みにつけ込んだ悪質な脅し行為だ。
勿論、医師が人の命をどうこうすることなどできないことは知っている。
それでも、医師たる者、患者の命に真摯に向き合うという、基本的でありかつ神聖な精神を持ち合わせて然るべきではないか。
彼女は、卑劣な思惑や利権争いの犠牲となったのだ。
元旦に友人の訃報を聞いたのは、これで二度目だ。
トラウマになりそうだ。
毎日LINEを開くと彼女の名前があり、亡くなったという実感が持てない。
椿大社は、彼女が教えてくれた神社だ。
ここで、猿田彦大神と天之鈿女命とのご縁を頂けた。
15日の参拝が、今年の初詣となった。
道すがらの賑やかな空。
拝殿の前では、燃え盛る炎。
神聖な炎に、この数日うてなが抱えていた怒りを、焼き祓って頂いた。
怒りの感情は、この日、うてなの身体に痛みとして現れていたんだ。
いつも助けて下さる神様。
ありがとうございます。
Tさん。
まだいるね。
今までありがとう。
またどこかで会えるね。