シナリオ / プレーヤー追跡型 | 着 想 ノート

着 想 ノート

管理者 / 残月


ここ数年、日本のRPGは海外のオープンワールドRPGと対比される事が増えました。
その結果、国内外から「 日本のRPGは一本道だ 」と馬鹿にされる事が多くなったようです。

ですが、海外のオープンワールドRPGを実際にプレーすると分かるのですが、
問題の本質部分に関しては日本のRPGと共通している事に直ぐに気付きます。
( ※ ゲーマーとしてのセンスに欠ける、洋ゲー至上主義者は気付かないと思うけどね。)


日本のRPGの場合ですと、
ストーリーが進行するまでは特定のエリアから出られない、という事が多いかと思います。
この辺が叩かれる理由になっているとも言えそうですね。

では海外のオープンワールドRPGは違うのか、と言いますと、
物語に縛られる事なく、広いマップを自由に歩き回れる・・・・という点では日本と違います。

ですが、クエストが発生するポイント自体は最初から完全に決められているのです。
ここに行かなきゃ物語は進みませんよ、というポイントが有る点は日本と全く変わらない。

広大なマップをレベル1のままでも制限なく歩き回れる点では日本とは違いますが、
決められたポイントに行き、順番通りに物語を進めていく点では、日本と何も変わらない。
つまり海外のRPGも一本道なんです。

ゲーム開始からレベル1のまま、制限なくマップ上のどこへでも移動できるようには成ったけど、
物語を進める為に立ち寄らなきゃいけない場所は固定のまま、という事ですから、
決っして一本道から脱却できた訳では有りません。
単に移動の自由であって、クエストのシステムは不自由なままなんです。

必ず指定されたポイントに戻ってこなきゃいけないのですから、
移動の自由、という点でも少し違うのかも知れませんが。

この辺はバスツアーに近いかも知れませんね。
午前中は自由行動だけど、12時にはちゃんとバスまで戻ってきて下さいね、みたいな。

とは言え、私自身は一本道のRPGを否定するつもりは有りませんので、
日本のRPGにしろ、海外のRPGにしろ、別に今のままでも構わないとは思うのですけどね。
( ※ エディットキャラでプレーする場合はまた違う話ですけど。)

では何を書きたいのかと言いますと、
一本道を理由に日本のゲームだけを叩くのはフェアじゃないぞ、という事です。

で、ここまでは実は前置きです。



( 日本のRPG )
  ↓

xxxxxxxxxxxxxxxxxxxx
x c d e       x
x b        x
x a        x
xxxxxxxxxxxxxxxxxxxx


まず「 x 」の囲いを、ゲーム全体の世界地図だと思って下さい。

そして この地図の中の「 a 」地点から物語がスタートして、
「 a 」をクリア後、「 b 」「 c 」「 d 」「 e 」の順番にシナリオをクリアしていく。
つまり「 a → b → c → d → e 」の順にシナリオが進行していく訳です。

日本のRPGに多いのは「 a 」地点でイベントをクリアしない限り、
次の目的地の「 b 」地点には向かえない。
というか「 a 」地点のイベントをクリアするまでは一歩も外に出られない。

日本の場合はこの「 a b c d e 」の エリア外に出られない事が叩かれる理由に有るように思う。
比べて海外のオープンワールドだと、レベル1でもマップ全部を歩き回れる事が多い。
だから海外のRPGは叩かれないのだと思います。



( 海外のRPG )
  ↓

xxxxxxxxxxxxxxxxxxxx
x d   b     x
x   e      x
x a     c    x
xxxxxxxxxxxxxxxxxxxx


今度は海外のRPGのケースです。

上記のようにスタート直後から地図全体を自由に移動できるのですが、
しかしシナリオ発生ポイントを地図上に散らしたからといって、
「 a → b → c → d → e 」の場所に順番通りに立ち寄る事には代わらないんですね。
これって つまりは一本道って事じゃないですか。

せっかく自由に歩き回っていたのに、
シナリオを進める為には特定の場所まで戻らなければならない訳です。

( ※ いや、少し違うかな?
  正確には、日本のRPGとシナリオ発生ポイントは全て同じだけど、
  単にどのタイミングでも、世界地図のどこにでも行けてしまう、という感じでしょうか。 )


ここまでを簡単に纏めますと、

・日本のRPGはストーリーと移動可能エリアが常時ワンセットになっている為に、
 移動自体にプレーヤーの自由が無い。

 今直ぐに遠くに見える山まで行ってみたいと思っても、
 ストーリー進行でその時が来るまでは見えている場所まで行く事が許されない。

 恐らく理由としては、
 日本のクリエーターは「 レベル5~10の時には、このエリアに居てほしい 」という、
 プレーヤー管理願望が強いのではないかと思います。

・海外のRPGはストーリー進行ポイント自体は決まっているが、
 ストーリーとは無関係のエリアに何時でも自由に行けるので、
 ストーリーは自由じゃなくても、移動だけは自由。

・・・という事でしょうか。



そこで提案なのですが。

プレーヤーには どんどん自由に歩き回ってもらい、
プレーヤーの現在地までシナリオの方から追い掛けてきてくれたら楽で良いかなと思いまして。

例えば、普通でしたら「 シナリオ1を始めたくなったら、ポイントAまで行け 」となる所を、
プレーヤーがどこをほっつき歩いていようが、シナリオ1の方から やってきてくれたらな、と。

やり方としては2通りの方法が有ると思います。


1・今現在プレーヤーが立っているエリアを中心に、決められたシナリオを構築する。

  普通でしたら この町には このクエスト、あの町には あのクエスト、と固定されていますけど、
  そうではなくて、全部の町やダンジョンに、全部のクエストに対応できるようにさせてしまう。
  つまり町やダンジョンをただの器として扱うイメージでしょうか。

  分かりますかね?
  プレーヤーが自分の好きなエリアを舞台にして、シナリオ1を開始できるという事です。

  プレーヤーが世界地図のどこにいても、
  今現在たまたま立ち寄った町を、シナリオ1の舞台にしてしまえる、という事ですね。

  そして、この時プレーヤーがシナリオ1に選んだ場所に、
  一番弱いレベルの敵を配置すれば良いかと思います。

  同じく、シナリオ2に選んだ場所を中心に、その次のレベルの敵を配置する。
  このやり方でしたら、オープンワールドでも多少はバランスが取れそうかなと思います。

  ただ、これだと何となく「 あっさりしたゲーム体験 」に成ってしまうような気がする。


2・もう一つの方法は、シナリオ発生ポイント自体は固定にしてしまって、
  だけどプレーヤーがその場所まで自分の足で行かなくても、
  「 メインクエストを進行する 」を選択すれば、
  本来ならば こちらから会いに行かなくちゃいけない人物の方から、こっちを探しに来てくれる。
  「 ああ、いたいた! やっと見付けたよ!」と。

  その会いに来てくれた人物に「 今からクエストをスタートする 」と返答すれば、
  自動でシナリオ発生ポイントまで移動してくれる。

  サブクエストも同じ事で、
  選択するだけで向こうからやってきてくれたり、または自動で移動してくれる。
  「 君達は依頼されたダンジョンの前までやってきた。」という感じで。

  ですが、今は未だほっつき歩いていたいなら、
  会いに来てくれたNPCに対して「 クエストは後で 」と返答する。
  そしてクエストをやりたくなった時に改めて、
  クエスト一覧から選択してNPCを呼び出す形にします。

  ・・・多分、2番の方が良いかも知れませんね。



※ 日本のRPG事情に関し、私が個人的に感じている事なのですが、
  かなり最初の時点でドラゴンクエストによってオープンワールドの原型が出来ていたのに、
  そのRPGの進むべき未来の形を、ファイナルファンタジーが壊してしまったのではないか、と。

  私はファミコン版しかプレーしておりませんので、
  PSハードで発売された同シリーズが、
  いわゆるムービーゲームと呼ばれるようになっていく過程は直接見てはおりません。

  ですが、Xbox360で久々に見たファイナルファンタジーの醜い姿に絶望した事を覚えています。

  別に一本道でも構わないのですよ?
  問題なのはムービーの量です。

  もちろんムービーを入れるのは構わないですけど、
  ゲームに求められるのはゲームプレーとムービーとのバランスですよ。

  だけど、ゲームよりも映画を作りたい日本のクリエーター達が、
  自分達が作った大量のムービーを何としてもユーザーに見せたいと考えた結果として、
  オープンワールドだと都合が悪いと考えても不思議ではないと思う。

  海外では「 映画のようなゲーム 」の価値観はFPSを中心に発展し、
  日本だとRPGがその価値観の犠牲になった。

  そして国内では大昔に出来ていたはずのオープンワールドRPGの原型を、
  気付いた時には海外メーカーが進化させていた。

  でも既にファイナルファンタジーの悪い影響で、日本だと一本道RPGが主流の為、
  今の日本のRPGだとオープンワールドとの相性が悪すぎて取り込みづらいのではないかと思う。


  ただ、海外のオープンワールドRPGをプレーしていて強く感じた事が有りまして、
  例えば、プレー中に新しい町を発見しても、
  町の人に大して話し掛ける事もないまま直ぐに次の町を探しに行ってしまうのですよね。

  要するに、世界を旅している感じじゃなくて、マップを探索しているだけという感じなんです。
  つまり「 人と人との出会いと別れ 」をゲーム中に感じる事が全くない。

  もちろん、ずっと一緒だったパーティーキャラが去ってしまう、
  というイベントでしたら有るでしょうけど、
  世話になった町を去る寂しさ、みたいな、
 「 土地に対する別れ 」という感情がRPGには足りないように思う。

  ですからもう少し、感傷的なロードムービー感を押し出しても良いかな、と思うのです。

  とは言え、日本の一本道RPGがロードムービーかと言うと、それも違うと思います。
  何しろ、前に通った町に何時でも戻れる訳だから。

  そういう意味では、一度背を向けた土地には戻れなくするのも手かな、とは思いますね。
  オープンワールドからは遠ざかるけども。