思ってたのより うんとよかった
ピアノソナタの第一番
一番最初の音たち
これから何回も
この音が曲の中で繰り返し響いていく
突き刺さる 鈍色の塊
その音を飲み込むような暗い赤色の地獄の底から湧き出るような波が
押し寄せたり引いたりをたくさんたくさん繰り返す
なぜかわからないけど涙が溢れてきて
ガラスの喉に涙がつまってはちきれんばかりのような、音
泣いてるみたいだった
叫んでるみたいだった
ピアノが出せる音の幅全部全部に涙みたいな液体がつまって
聴いたことのないような音をたくさん聴いた
まだ耳の裏にこびりついている
ピアノソナタの第二番
バッハみたいな旋律が
何度も何度もあらわれる
ソナタだから当たり前だけど
赦しと懺悔を交互に編んだような旋律が曲の間中ずーっと、ゆらぎながら時間を織り上げていくような
低音の地響きとトランペットの歓喜の声が聴こえたり
最後は空っぽになってた
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ピアノっていう楽器じゃなかったような気がする
一番と二番、似てるけど対象的だった
衣装も一番は黒で二番は白色
ヨルムさんの色も一番は真っ赤だった
日本人は、こんな炎持ってる人は、いないんじゃないだろうかと思うくらい燃えてた
緋色
二番の時の色は
白いベールで覆われて
緑とか紫とか水色とかが
ゆらゆら揺れてた
教会のステンドグラスに差し込む光が
さらに神聖な空気にあらわれて
霞んで見えにくい、
それでも色がゆらいでる
そんな感じ
弾き終わったら消えちゃうんじゃないかと思った
一番の時は何かに取り憑かれてるみたいだった
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客席で佐村河内さんも聴いてた
最後ステージの上で拍手をもらうふたり
抱き合って頭撫でてもらうヨルムさん
作曲家が生きてて、それを演奏する人がいて、日本で、なんだかすごい体験だなあって思った
アンコールのドレンテも
まっしろなかなしみ
わたしすきだなあ
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また聴きにいきたいです
サインももらったよ*
