O君への想いを胸に秘めたまま、卒業の日はせまっていった・・・。


クラスの女子たちは、可愛いサイン帳を買って、友達に配ります。

私もその1人恋の矢


めあてのO君に渡して、「どんなふうに書いて返ってくるかな?」って密かに楽しみにしていた。


返って来たのは、他の女子と変わらない普通な感じだった・・・・、でも、嬉しかった。


しかし、謎の一枚が?


名前 バカ バカオ

住所 バカ市 バカ丁目~


裏のフリースペースにも、おっきく  バーカ  って・・・。


後からわかった事は、私がどうでもいい男子に渡した一枚を、

O君が、代わりに書いたらしい・・・・・。


いったい誰に対する嫌がらせなのか?

今思うと、なんも考えないでやりそうな事だ。いじめっ子タイプだったからな、O君は。




当時、卒業を間近にひかえた私達の間では、アイススケートが流行っていた。


放課後、バスに乗ってとなりまちの町営のスケート場まで行き、暗くなってから

帰るのが、大人になりかけの年頃には魅力的な遊びだった・・・。


男子も女子も、毎日のように通っていた。


そこで見たのだった、アイスリンクの上に真っ白いロングコートを着て

くるりとターンするO君のすがたを・・・ドキドキ


普段の教室で見ているガキ大将が、その時は別人だった。

髪型もスポーツ刈りを伸ばして、分け目なんか出来ていて(いつのまに??)

他の同級生の男子の中でも全然大人っぽくてかっこよかった。


・・・・・「好きな男の子がいないのって、変なのかな?」・・・・・・

そんなことを考えたこともあった私に、まったく予想もつかずに

突然おとずれた「はじめての気持ち」だった。



O君は背が高く、スポーツも万能・・・・、クラスでは中心的な存在感のある男の子だった。

でも、O君のことを好きだと云う、他の女の子は1人もいなかった。

なぜなら、そう・・・性格に難あり。

男子でも女子でも、弱いコはいじめまくる「ジャイアン」キャラだ。


 (小学校時代モテる男の子なんて、たいていカワイイ系ではないか?)


そんなO君に、なぜ突然恋したのか?


「初恋はいつ?」って質問・・・・

早い子では「幼稚園」って答える子もいるけど、

私の場合は「小6」の時だな。


それまでは、恋ってどんな気持ちか分からなかったと思う。

クラスで、恋してる女の子はいたけど、からかったりしてた。

その子の机に、好きな男の子の笛とか忍び込ませたり・・・・。

そんで、先生に怒られた記憶が・・・ガーン


そんな私だったが、突然O君という男の子を好きになった。

O君とは、1年の時からずっと同じクラスだったのに、

小6の、それも卒業間近の3学期・・・。