ただ ちょっと
その手を 借りたかっただけ

大きくもなく
強くも無さそうだけど

私には ちょうどよかった




そして、
全て忘れて
目を

閉じる時間が欲しかった



まつげが 濡れたかもしれない
ほほが 色づいて
唇に 色がもどったり、
したかもしれない
 しなかったかもしれない


ただ そうしたかっただけ
ほんの少しの間だけでも




神様は 知っていた
すべて
ごぞんじのようですから。




私に
愛する力の 足りないことを
愛されることを 願ったことを




何一つ 取りこぼさず
目をしっかり見開いて
歩いて行けと 私を生んだ


自分の手すら見つめられない
私に
あなたの手など
掴めるはずが なかったの