運ぶ、戦う、増える、そして食べられる



私の名前はキャプテン・オリマー。
宇宙船ドルフィン号に乗り、宇宙を旅している。



順調な航海だった。
その時までは……
接近する流星に気づくのが遅れてしまったのだ。



ドルフィン号は流星と衝突してしまう。



制御を失ってしまったドルフィン号。



みるみると名も知らぬ惑星の重力にとらわれてしまった。



目覚めた時、私は未知の星の大地にいた。



ドルフィン号は多くのパーツを失い、無残な姿となってしまった。
なんとエンジンまでも失い、動かすことすらできないのだ。



さらに悪いことに、大気センサーの値を見ると、この星の大気は猛毒の酸素を大量に含んでいる。
生命維持装置が働くのは、30日が限度だ。



それまでにドルフィン号を修理することができなければ……
いや、考え込んでいてもしかたがない。
さっそく、なくなったドルフィン号のパーツを探すことにしよう。



私の目の前に、奇妙な物体が現れた。



それは、まるで私を待っていたかのように立ち上がり、1粒のタネをふいた。
これは何なのだろう?
どことなく私の星のオニヨンというタマネギに似ているので、私はこれをオニヨンと名付けた。



オニヨンがふいたタネは、かわいい芽を出した。
それは怪しい光を放ち、ゆらゆらと揺れている。
どうもこれは、私を誘っているように見える。



いま私にできることは、近づいて引っこ抜いてみることぐらいだろう。



芽を引き抜いてみると、その下から奇妙な生物が現れた!
見たところ害はなさそうだが、なぜ私を見つめているのだろうか。
姿が私の大好きな野菜のピクピクニンジンにそっくりなので、ピクミンと呼ぶことにする。



ピクミンは私の後をついて来るようだ。
おや?この植物は何だろう。
ピクミンがソワソワしている。
ピクミンを投げつけると、茎を叩きだした。



後に残ったのは赤いペレット状のものだけだ。



見ていると、ピクミンはそのペレットを運びだした。
見かけによらず力持ちのようだ。



ピクミンはオニヨンの下までそれを運んで行った。
すると、オニヨンはペレットを吸い込んでしまったのだ。



オニヨンがまたピクミンのタネをふいた!
花から取れるペレットは、ピクミンが増殖するための食べ物なのだ。
そしてオニヨンはピクミンの母体らしい。



ペレットは花から取れるもの以外にもあった。
こちらは先ほどよりも大きい。



運ぶのに5匹のピクミンを要した。



大きなペレットを吸収したオニヨンは、先ほどよりも多くのピクミンをふいた。
どうやら吸収するものの大きさと比例して増殖していくようだ。



いつの間にかピクミンの数は10匹に増えていた。
これなら、より大きなものも運べそうだ。
道をふさいでいる物体を押してみよう。



ピクミンは何にでも興味を持ち、集団で力を合わせて行動する。
この習性を利用できれば、ドルフィン号を修理できるかもしれない。
わずかに希望の灯が見えてきた。



なんということだ、私の前にあるのはまぎれもない、私の船のメインエンジンだ!
幸運なことに、一番大事なものを、一番に見つけることができた!



私はピクミンに指示し、エンジンを運ぶことにした。



ドルフィン号の近くまで運ぶと、船の自動修復機能が作動し、エンジンは機体に装着された。



これで離陸が可能になった!
残りのパーツはどこへ飛び散ったのだろうか?
明日からはそれの捜索だ。



どうにかドルフィン号を飛ばすことができた!


驚いたことにピクミンを収容したオニヨンも私と一緒に飛び立った。
彼らは夜は地上で暮らしていけないのだろうか?
なんにせよ明日も彼らの力が借りられそうだ。



翌朝、私のドルフィン号は、ピクミンたちのオニヨンとともに、再び地上に降り立った。



さあ、星の探索開始だ!
しかし、高い岩壁が行く手を遮った。
別のルートを探すしかなさそうだ。



なんと、こちらにも壁が!
八方ふさがりじゃないか。



だが、こちらの壁の方がもろそうだ。
ピクミンたちに任せてみることにした。
ピクミンたちを投げつけると、彼らは一斉に壁を叩き出した。



しばらくすると、壁は完全に破壊された。
これで先に進めそうだ。



なんだ?あの奇妙な生物は?
とても友好的には見えない。
近寄るのも危険そうなので、私はピクミンを数匹、投げつけた。



するとピクミンはあっという間に、その原生生物を倒すと、運びだすではないか。



オニヨンの下まで運ばれた原生生物は、ペレットと同じように吸収された。
そしてオニオンは新たなタネをふきだした。
ピクミンたちはペレット以外でも増殖できるらしい。



おおっ、これは永久燃料ダイナモ!
永久に尽きることのないエネルギー!
これで電気をケチらずに済む。



なんと大きな原生生物だ!
今は眠っているようだが、放置しておくことはできない。



私はピクミンを投げつけ、攻撃を指示した。
果敢に戦うピクミン。
あぁ、ピクミンが食べられた!



多大な犠牲はあったが、なんとか巨大生物を倒すことができた。
ピクミンたちはその生物もエサとしてオニヨンへと運んで行った。



これはひょっとしてオニヨンか?
しかし、黄色いぞ。



これは……
色は違うが同じピクミンのようだ。
見たところ、大きな耳と思われる部分がある。
体は軽そうだが、赤いピクミンとはどう違うのだろう?
とりあえずこいつもピクミンと呼ぶことにする。



その時、タイマーが日没の近いことを告げた。
おそらく隊列からはぐれたピクミンは、自力でオニヨンに戻れないだろう。
急いでドルフィン号の所まで戻らなくては!



ピクミンたちをオニヨンに収容させた私は、ドルフィン号に乗って飛び立った。



しかし、取り残されたピクミンがいたようだ。
原生生物たちは夜になると活発に活動するらしい。
ピクミンはなすすべなく食べられてしまった。
かわいそうなことをした。



私のために戦い、そして死んでいくピクミンたち。
彼らはなぜ私に従うのだろう。
しかし、私は生きなくてはならない。
多くの犠牲を伴おうとも……


 


 

「引っこ抜かれて、あなただけについて行く」から始まる、ピクミンのCMソング「愛のうた」。
最後は「でも私たち愛してくれとは言わないよ」で締めくくられます。
初めてこのCMを見た時、なんてスゴイ曲だと思ったんです。
実際にゲームをプレイすると、さらに歌詞が心に刺さります。
とっても健気なんですよね。
でも投げるんですけど。
とっても愛らしいんですよね。
でも投げるんですけど。
そんなゲームです。

 

 

【今回紹介したソフト】

 

 

 

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