ドラゴンに選ばれし者の物語



それは何の予兆もなく現れた。
虚空に渦巻く歪みが発生したのだ。



そして渦の中心から出現した巨大な存在。



それは炎をまとう深紅のドラゴンだった。



ドラゴンは大きく翼をはためかせると、いずこかへ飛び去って行った。



場所は変わり、ここは小さな漁村カサディス。
村の浜辺には穏やかな波が打ち寄せている。



子供たちには笑顔があふれ、大人たちは海の恵みに感謝する。
今日もいつもと変わらない日常が続く……
誰もがそう信じていた。
その羽音を聞くまでは。



彼の名はウタ。
この物語の主人公である。



向こうから一人の女性が歩いてくる。



ウタは彼女に向け手を上げた。
彼女もそれに気づきこちらに向かってくる。
彼女の名はキナ。
ウタの幼馴染である。



その時、突風が村中を吹き抜けた。



港の方が何やら騒がしい。



「ドラゴンだ!」
港から慌てて駆け寄ってきた男性がそう叫んだ。



ウタが港に向かうと、そこには深紅の巨大なドラゴンが舞い降りるところだった。



ドラゴンの咆哮に恐れをなし逃げ惑う人々。



村を守るべき兵士までも逃げ出してしまう。
村を守らなければ!
ウタは兵士の落としていった剣を手に取った。



果敢にドラゴンに立ち向かうウタ。
しかし、その剣はドラゴンに傷一つつけることはできない。



ウタはなすすべなく吹き飛ばされてしまった。



倒れたウタをドラゴンは赤い眼でにらみつける。



そして鋭い爪の生えた指先を伸ばした。



爪を突き付けられ怯えるウタ。



次の瞬間、ウタの胸を爪が突き刺した。



ドラゴンが爪を引き抜くと、そこにはウタの心臓が突き刺さっている。
それはまだドクンドクンと脈動していた。



ドラゴンは心臓を見つめると、パクリと飲み込んでしまう。



そしてドラゴンは再び翼を大きく広げ、いずこかへ飛び去って行った。
ウタの意識はそこで途絶えた。



倒れるウタを見つけ、慌てて駆け寄るキナ。



不思議なことにウタの胸の穴はすでに塞がっていた。



ウタが目を覚ますと、そこは村長の家だった。
周りには同じように傷ついた村人たちが寝かされている。



ウタは自分の胸を傷を見つめた。



なぜ自分は助かったのだろう。
そう思いながら傷に触れると、傷が光りだし、何者かの声が聞こえてくる。
「我が下に来らんと欲するならば、武器を取れ……覚者よ」
声はそう言っている。



周りを見回すと古びた3本の武器が置かれているのを見つけた。
片手剣と短剣、そして杖である。



ウタはその中から片手剣を手に取り身に着けた。



その時、隣の部屋から話し声が聞こえてきた。
村長とキナだ。
キナもウタの光る傷を見ていたらしい。



傷は癒えているのに心臓の音がしない。
キナは心配そうに村長に告げている。



ドラゴンの出現に加え、そんな不吉の兆しまで……
杞憂であればいいと心配する村長。



二人が立ち去るのを待ち、ウタは港へ向かった。
ドラゴンは確かに恐ろしい存在だが、心臓を取り返さなくてはいけない。
焼け焦げた港を見ながらウタはそう思った。



ドラゴンを探すために旅立とうと村の入り口まで来たとき、奇妙な感覚を覚えた。
何かが来る……



何もない空間に黒い渦が巻き始めていた。



そしてその中から何かが降り立った。



人のように見えるが、何かが違う。



それを見ていた村長が言った。
あれはポーンという連中だと。
外見は人と同じだが、人間ではない存在。
傭兵のような役目を生き様としているのだという。
そのポーンがなぜウタのもとに現れたのだろう。



村長が言うには、村の西にドラゴン討伐のための宿営地があるのだという。
そこに行けばポーンのことも分かるかもしれないと。



ウタはその宿営地を目指した。



ウタが宿営地に入ると不思議な声が聞こえてきた。
それは目の前の岩から聞こえてくるようだ。



この岩「リム」はポーンがこの世界とつながるためのもの。
声はそう言っている。



そして覚者(かくしゃ)はポーンを従える存在だとも。
しかしそれには証を示さなくてはいけないようだ。



そして声は消えた。
その時、兵士たちが慌て始めた。
何かが宿営地に接近しているようだ。



単眼の魔物サイクロプスだ。



頭部には何かの文様も浮かんでいる。



ウタは手にした片手剣で切りかかった。
兵士たちはサイクロプスと共に出現したゴブリンの相手で手いっぱいだ。



苦しい戦いだったが何とかサイクロプスを倒すことに成功する。



ウタが再びリムの下に行くと、証は示されたと声は言った。



そして新たにウタに従うポーンが召喚された。



その時、再び兵士たちが慌て始めた。
今度は何が起こったのだろう。



何か視線を感じウタが見上げると、そこには巨大な蛇が鎌首をもたげていた。



しかもその首は一つではない。
四つの首を持つ魔物ハイドラだ。



恐ろしい相手だが逃げるわけにはいかない。
ウタはポーンと共にハイドラに挑みかかった。
胴体は固く、刃が通らない。
ウタは首の一つに飛びついた。



必死の攻撃に、ついに首の一つを切り飛ばすことに成功する。
首を落とされたハイドラはどこかへ逃げ去ってしまった。



残された頭部にはサイクロプスと同様の紋章が光っていた。
何か関係があるのだろうか。



ハイドラ撃退に沸き立つ宿営地に、キナが行方不明だという知らせが届けられた。



キナはウタの傷について調べていたらしい。
そして、呪い師の森について興味を持っていたようだが。



もしや、あの危険な森に行ってしまったのか。
ウタは急ぎ呪い師の森へと向かった。



果たしてキナは無事なのか……
そしてウタはドラゴンから心臓を取り戻すことができるのか……
ウタの旅は始まったばかり。


 


 

今回はスクリーンショットを撮るために、パソコン用のPS3エミュレータ「RPCS3」を使用してプレイしました。
しかし、やたらとフリーズするんです。
その度に泣く泣く再起動しました。
何度、同じ中ボスと戦ったことか……
初めは複数回に渡り記事にする予定でしたが、あまりのフリーズの多さにそれを断念。
PS3実機でプレイすればいいんでしょうけど、それだとスクリーンショットを撮る手段がないんですよね。
面白いゲームなだけに残念です。


【今回紹介したソフト】

 

 

 

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