アイドルと疑似恋愛が楽しめた



私立トキメキ学園。
ここに一人の少年、ウタが転校してきたところから物語は始まる。



人見知りしないウタは、同じクラスの山村貞吉という男と友達になった。
顔のでかい、怪しげな関西弁を使う男だ。



すぐに親しくなった二人。
貞吉は校内を案内してくれるという。



ドンッ。
教室から出たウタは見知らぬ少女と出合い頭にぶつかってしまった。



「ごめんなさい、ぼーっとしてて」
少女はそう言うと、慌てて立ち去ってしまった。



貞吉が言うには、隣のクラスの高山みずほというらしい。
なぜだか気になるウタ。



その時ウタは廊下にうさぎのマスコットが落ちていることに気が付く。
どうやらみずほが落としたようだ。
ウタは落とし物を届けようと手に取った。



その時、謎の三人娘が現れた。
「さっきの女の子にトキメイちゃったんでしょう」
それだけ言うと、いつの間にやら姿を消していた。



三人娘は清水エリカという少女の取り巻きらしい。
エリカは理事長の娘で、美人だが性格はキツイようだ。



そこへエリカ登場。
取り巻きも連れている。



転校してきたウタの事もすでに知っているようだ。
何やら気に入られてしまった。



エリカたちは颯爽と行ってしまった。
すると今度はキザな風貌の男子生徒がやって来た。
辻正臣というらしい。



「ここの女の子はみんなオレに夢中だぜ」
風貌だけでなくしゃべり方もキザだった。
女の子にアタックしても無駄だ、そう言うと正臣は行ってしまった。



あ、そうだ、マスコットを返さなきゃ。
ウタはそれを思い出し、みずほを探した。



隣のクラスまでやって来ると、教室の中から女の子の声が聞こえる。
きっとここにいるだろう。
ウタは教室の中に入っていった。



そこでは数人の女の子が着替えの途中だった。
慌てるウタ。
しかし、しっかりと目に焼き付けるのだった。



その時、背後から叱責の声がかかる。



みずほだった。
みずほはウタの持っているマスコットに気が付く。



どうやら探していたようだ。
マスコットが見つかり、とても喜んでいる。



このマスコットはお守りだというみずほ。



ありがとう。
そう言うとみずほは行ってしまった。



やはりみずほのことが気になるウタ。
どことなくアイドル歌手の中山美穂に似ている気がする。



家に帰って来たウタに、母親は女の子の写真が落ちていたと言う。。
それはカメラマンのウタの兄が撮ったもののようだ。
そこに写っていたのは中山美穂だった。
しかし、みずほとよく似ている。



写真をよく見ると、美穂はあのマスコットを大事そうに持っていた。
やはり二人は同一人物だったのか。
ウタはそれを確かめることにした。



翌日、みずほの姿は音楽室にあった。
みずほ一人だけの様だ。



ウタはあの写真をみずほに見せた。



それを見たみずほは驚きながらも中山美穂であることを認めた。



みんなと同じように学園生活を送りたかっただけだという。



このことは誰にも言わない。
ウタはそう思うのだった。



それを聞き、喜ぶ美穂。
美穂は一緒に帰らないかとウタを誘う。



美穂がカバンを取りに行っている間、廊下で待っていると取り巻きを連れたエリカがやって来た。
次の日曜日にバースデイパーティーをするので、ウタにも参加してほしいとのこと。



嫌な予感がしたウタは行くのはやめようと思うのだった。



そんなことを考えていると美穂がやって来た。
一緒に帰りながら二人は色々なことを話した。



ウタは美穂を特別扱いせず、一人の女の子として接した。
それを感じ喜ぶ美穂。



いい雰囲気になって来たところで、ウタは美穂をデートに誘う。
美穂はうれしそうだ。
次の日曜日にデートをすることになった。



そして日曜日。
ウタはウキウキしながら家を出た。



その時、怪しげな黒ずくめの男たちが現れ、ウタを拉致してしまう。



ウタが気が付くと、そこはエリカの屋敷だった。
三人娘はウタが美穂とデートすることを知っていた。
そこで強制的に連れてきたのだという。



そこへ豪華なドレスに身を包んだエリカがやって来た。



エリカはウタのことが気に入ったらしい。
自分の恋人にならないかと言ってきた。



しかしこんなことをしている場合じゃない。
美穂が待っているのだ。
ウタは屋敷を飛び出した。



慌てて待ち合わせた喫茶店に行くも、そこに美穂の姿はなかった。
それも当然。
すでに待ち合わせの時間から4時間も経っていた。



落ち込んだウタが家に帰ると、美穂から電話があったのだという。
どうやらエリカと付き合っていると勘違いしてしまったようだ。
誤解だと伝えたいが、その後しばらく美穂は学校に来ることはなかった。



しかし数日後、美穂から手紙が届いた。



すべては誤解だったと貞吉が美穂に言ってくれたようだ。



誤解していたことを会って謝りたいと書かれていた。



そして会う約束の日がやって来た。
勝手に勘違いしていたことを許してなんて言えないよね。
美穂は涙を浮かべながらそう言った。



ウタと会えなくなるのは寂しい。
だから許してほしい。
美穂はウタの目を見ながら言う。



もう泣かないで。
ウタは言った。



こうして二人は急接近。
美穂も普段の明るさを取り戻した。



その時、喫茶店の入り口に怪しげな男の姿が。
しかしその男はすぐに立ち去ってしまった。



そして楽しい時間はあっという間に過ぎた。
また会いましょう。
そう約束すると美穂は帰って行った。



ウタが家に帰ると、美穂から電話があったようだ。
また今度会いたいという。



それを聞いた兄はウタにアドバイスをする。
プレゼントを渡せと。
それを聞いたウタはさっそくプレゼントを用意するのだった。
そしてデート当日。



ウタはプレゼントをそっと美穂に差し出した。
ウタが用意したのはオルゴールだった。
美穂も気に入ってくれたようだ。



その時、エリカのボディーガードたちが現れた。
どうやら後をつけられていたらしい。



しかも美穂の正体がバレてしまったようだ。



隙を見て逃げ出した二人だったが、とんでもないことになってしまった。
美穂は心配そうだ。
しかし明日からコンサートのため、しばらく学校には来れないらしい。
そうして美穂は帰って行った。



次の日、ウタが学校に行くと大騒ぎになっていた。
美穂の正体が知れ渡っていたのだ。



その騒ぎは収まりそうもなかった。
そしてクリスマスイブ。
二人はいつもの喫茶店で待ち合わせをしていた。



急な仕事が入ったという美穂は少し遅れてやって来た。
どうやら仕事を抜け出してきたようだ。



歌手になることは小さいころからの夢だったという美穂。



しかしウタに会えなくなるのはつらいとも言った。



そして美穂はウタの気持ちを聞いてきた。
美穂の瞳を見ながら、ウタは好きだと伝えた。



しかしウタはこのまま別れようと言う。



美穂の事を思っての言葉だった。



さよなら。
美穂はそう言った。



最後に一つだけわがままを聞いてほしいと言う美穂。



そして二人は口づけをかわすのだった。



数日経ちウタは思う。
やはりもう一度だけ美穂に会いたいと。
ウタは美穂に電話した。



学校の屋上、そこで二人は待ち合わせた。



そして美穂はやって来た。



美穂は言う。
今の仕事を辞めることはできないと思っていたと。



しかし今はウタのことが一番大切なのだとも。



私を連れて逃げて。
美穂はそう言った。



その時、報道陣が急に現れ、二人を取り囲んだ。



慌てて逃げる二人。



しかし美穂は石につまずき転んでしまった。



後ろからは報道陣が、前からはバイクが迫ってくる。
もうだめだ。



しかしそのバイクに乗って来たのは貞吉だった。



貞吉は二人を助けに来たのだ。



そして二人は貞吉のバイクを借り、迫る報道陣から逃げ出すのだった。




 


 

今作は当時の人気アイドルが実名で登場するアドベンチャーゲームです。
プレイ中に何度か表示される電話番号に電話をかけると、中山美穂のメッセージが聞けるというシステムでした。
今ではそのサービスも終了しているのが残念です。
マルチエンディングのため、ハッピーエンドを迎えるには選択肢の他にも主人公の表情が重要となります。
怒った顔や真面目な顔、悲しい顔などを選択肢と組み合わせなくてはいけないのです。
意外と難易度の高い作品です。


 

【今回紹介したソフト】

 

 

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