(注意)今記事では事件の核心部分について書いています。

変わり果てた姿で見つかった内藤。
金田一はこの死についても調査を進める。

今日は10年前の事件で指名手配中の容疑者である竹内秀行の妻、明子の命日だった。



あの奇妙な手紙が指示していたのはこのことだったのだろうか。



しかも、竹内には密輸の疑いもかけられていた。



竹内の事を内藤と新田は知っていた。
しかも過去にトラブルがあったらしい。
金田一は内藤と新田にも密輸の疑いがあったのではないかとにらんだ。



あの3人は昔の仲間だったのではないだろうか。



そしてここ潮見荘で何らかの取り引きが行われていたのだろう。



そう考えた金田一は調査を再開した。
手始めに、第一発見者の晶がいた厨房を調べることに。
金田一は冷蔵庫が気になっていた。



仮にも旅館の冷蔵庫なのに中身が寂しすぎる。
妙な違和感を感じながら冷蔵庫のドアを閉めた。



次に調べたのは階段脇にある納戸だ。



そこにはやたらに長い電気コードが入っている。
一体何に使っているのだろう。



そこへ美雪が慌ててやって来た。
内藤の死体を発見してから寝込んでいた晶が姿を消したというのだ。



金田一は館内を探した。
その時、新田の部屋から怒鳴り声が聞こえてきた。



竹内と一緒に復讐するつもりなんだろうと新田は言っている。



母親の事件に見立てて内藤を殺したのだろうとも。



その時、ふいに部屋の中が騒がしくなった。
部屋の中に何者かが現れたらしい。
金田一は鍵のかかったドアを叩いた。



ドアの向こう側のただならぬ雰囲気が漂っている。
騒ぎを聞きつけやって来た露崎らと共にドアを破り、部屋の中に飛び込んだ。

そこには後ろ手に縛られた晶に刃物を突き付けている竹内の姿があった。



露崎は投降を呼びかける。



しかし竹内は金田一らに背を向け走り出し、そのまま窓を突き破り逃げて行ってしまった。



竹内に殴り飛ばされていたらしい新田が、もそもそと起き上がって来た。
露崎は新田らを連れ、関係者が集まる広間へと向かう。



新田は晶を竹内に対する人質にしようとしていた。
そう、晶は竹内の娘だったのだ。



晶を人質に取ってまで警察より先に竹内をおびき寄せようとしていた新田。
それは過去の犯罪と関係があるのではないかと金田一は言った。



しかし新田はそれを認めない。
だらだらと汗を流している。



新田はソファーに近づくとエアコンのリモコンを手に取りスイッチを入れた。



その途端、部屋は暗闇に包まれた。



エアコンをつけたことによりブレーカーが落ちてしまったらしい。



そして誰かが部屋を飛び出す音が聞こえた。
新田が逃げてしまったのだ。



ブレーカーを戻すため、千代が納戸へと向かった。
チリンチリン
その時、鈴の音が聞こえてきた。



次の瞬間、部屋が明るくなったのと同時に新田の叫び声が響き渡った。



あの鈴の音、金田一は聞き覚えがあった。
千代の部屋を訪れた時に聞いていたのだ。



金田一は千代の部屋に飛び込んだ。
そこには胸を押さえ倒れ込む新田の姿があった。
露崎は新田の脈を取り、そして首を振った。



これは殺人だ。
もう犯人の好き勝手にはさせない。
金田一はそう誓う。



「名探偵と言われたジッチャンの名にかけて!」



新田には外傷はなかったことから心臓まひの可能性が高い。
たしかに新田は心臓が悪かった。
しかしそれが自然に起きたとは限らない。



金田一はもう一度事件について洗いなおすことにした。
晶が人質に取られていた時、部屋のドアと窓には鍵がかかっていた。
にもかかわらず竹内は部屋の中に現れた。



そこから導きだされる結論は…隠し通路。



それほど苦労することもなく目的のものを見つけることができた。
ベッドの下から現れたそれは、地下まで通じているようだ。



降りてみると、そこは海につながる洞窟になっている。



しかし、ここは純粋な自然の洞窟ではなさそうだ。
地面は整地されており、小さいながらも船着場まである。



そうか、ここを使って密輸をしていたに違いない。



何か大きな物が流れ着いていることに気が付いた金田一は、それを拾い上げてみた。
それは漁業に使う大型の網だった。
ロープが途中で切れているから、漁の途中で切れたのだろうか。



いや、この切り口はどこかで…



金田一は網を持ち、降りてきたハシゴとは別の階段へと向かった。



階段は裏庭の木立の中に通じていた。
出入口は草木で巧妙にカモフラージュされている。
これでは気付かないはずだ。



金田一はもう一度、潮見荘の中を調べることにした。
気になっているのはやはり冷凍庫だ。



大型の冷凍庫なのに氷とピザだけというのは不自然すぎる。



それからもう1か所。
階段脇の納戸だ。



納戸の中には前も見た電気コードのリールがあった。
前と違うのは、今しがた使ったかのように慌てて放り込まれたかのような点だ。



金田一はコードを引き出して調べてみた。
コードの側面があちこち削れている。
まだ新しい跡だ。
どうやら、壁の角などでこすった跡らしい。



続いて金田一は千代の部屋へとやって来た。
そこはまだ新田が倒れたままになっている。
現場を保存するためだ。



新田はなぜこんなところに逃げ込んだのだろうか。
金田一は仏壇を調べることにした。



調べるうちにスイッチのようなものを発見した。
試しに押してみると、仏壇が振動し始めた。



ずずずずずと、重い音を立てながら仏壇が横にスライドした。



こんなところに隠し部屋が。
新田はここに隠れようとしていたのだ。



隠し部屋の中には一冊の帳簿があった。
20年間に渡る密輸の全てが記されている。



部屋を出ようとした時、仏壇の取っ手に何か細いものが巻き付いているのを見つけた。
銅線の様だ。
数本が金属の取っ手に巻き付いていた。



そうか、そういうことか。
「謎はすべて解けた」



それを皆に伝えるにはあと一人招待客が足りない。
その人物は晶の前に姿を現した。
そうその人物は晶の父、竹内だ。



竹内が加わったことで、広間の中の緊張感は倍増している。



「君の推理を聞かせてもらいましょう」
明智はそう言った。



金田一はうなずくと、ある人物に向かって告げた。



「犯人はあんたさ、おチヨさん!」



金田一の指摘に、千代は一瞬身を硬くさせる。



内藤が死んだあの日、内藤が松の木のそばで見ていたのは海などではなく、地下への隠し通路だったのだ。



睡眠薬入りのサンドイッチを差し入れた千代は、内藤が眠ったのを確認するとアリバイ工作を始めた。
それに使われたのが地下で見つけた網だ。



きれいに折りたたんだ網を水に浸し冷凍庫で凍らせた千代は、網から伸びたロープを内藤の首にかけた。



しばらくすると氷は解けて網は広がる。
潮に流された網は内藤を持ち上げる。
こうして犯行時刻をごまかしていたのだった。



そして新田の件。
この潮見荘について熟知している新田は仏壇奥の隠し部屋に逃げ込むだろうと予測していた千代は、仏壇にある罠を仕掛けていた。
それが電気コードだ。



銅線がむき出しになったそれを仏壇の金属製の取っ手に縛り付けておく。



予想通りエアコンをつけ停電を起こした新田は千代の部屋へ飛び込んだ。
そして新田が取っ手を掴んだ瞬間にブレーカーを戻せば、新田を感電させることができる。



暗闇の中、新田が取っ手を握ったタイミングを知るのには鈴の音を利用していた。



金田一の指摘に、千代はすべてを認めた。
息子の哲郎の仇を打つための犯行だったのだ。



哲郎も密輸に関わっていた。
しかし後悔し、手を引くと伝えに新田たちの下へと向かったらしい。



そして新田たちは口封じのために哲郎を崖から落として殺していたのだ。



一緒に抜けようとしていた竹内もろとも。



一命を取り留めた竹内は、新田たちから身を隠していたのだという。



竹内のやっていることを薄々勘づいていた妻の明子も、新田たちの手にかかっていた。


姿を現せば、今度は晶の身に危険が迫る。
そう考えた竹内は晶の前に姿を現すことができなかったのだ。



すべてを聞いた千代は自首することを決めた。


事件は終わった。
晶が父親と暮らせるようになるのはもう少し先になりそうだ。
晶はこれからも父親を待つのだという。
しかし今度は帰ってくることが分かっている。
晶の顔に悲壮感はなかった。



 


 

同名漫画のアニメの方を原作とした推理アドベンチャーです。
マルチエンディングとなっていて、全部で9つのエンディングがあります。
今回の記事では、手紙を出した人物についてや、千代が殺害を決意した本当の理由などは書いていません。
千代がすべてを認めた後に起こった出来事もです。
大事なところなのであえて省いています。
犯人まで書いておいてなんですが…


★金田一少年の事件簿 ~10年目の招待状~ プレイ日記一覧
 

 

【今回紹介したソフト】

 

 

★レトロゲームプレイ日記一覧 ~ゲームボーイ~ >>