女の勘が解決へと導く



(注意)今記事では事件の核心部分について書いています。

田舎の温泉町を結ぶ山間列車。
この列車に乗っていた8人の乗客が、走っていた列車の中から忽然と姿を消してしまった。
わずか15分の間にだ。



捜査は難航し、2週間たった今でも一向に進展していない。
8人の乗客はあの列車からどこへ消えてしまったのか。



テレビや新聞の報道で日本中が騒然としている中、警察の名誉をかけて1人の男がそののどかな田舎町へと向かった。
特命を受けた男の名は警視庁捜査一課の警部、宇野喬一。



宇野は手始めに消えた8人が止まっていた宿、湯けむり荘へとやって来た。
そこで宇野は1人の女子大生と出会う。
彼女の名は永井夕子。
私立探偵をきどった彼女は強引に捜査に加わってしまった。



この湯けむり荘に宿を取ることにした宇野は、女中の上村の勧めで自慢の温泉につかりながら、事件について思考を巡らせた。



しかし何も思いつかない。
脱衣所で着替えているとき、1枚の張り紙が目に入った。
以前はこの源泉は飲用にしていたようだ。



宇野は手始めに湯けむり荘内の調査をすることにした。
すると家族風呂の脱衣所で「前田商店8000円」と書かれた領収書を見つける。
刑事の勘で事件に関係あるとにらんだ宇野。
証拠品として持っていくことに。



翌日、宇野と夕子は問題の列車を調べるため岩湯谷駅へと足を運んだ。
ここで駅長を務める大谷と出会う。
大谷は次期町長とのうわさもあり、8人の乗った列車を見送った人物でもある。



運転手の関谷、車掌の森からも8人は実際に乗っていたとの証言を得た。



宇野たちは情報を得るため地元警察へと向かった。
確かに乗客が乗っているのを見たという証言があったが、見たのは8歳の男の子で信憑性は薄い。



事件後に車内を撮影した写真を見ているとき、宇野はあることに気付く。
缶のリングプルの開け方から、乗客の中に左利きの人物がいたと睨んだ。
しかし乗客の中に左利きの人物はいないという。
宇野の気のせいだろうか。



その後、少年が列車を見たという場所へとやって来た。
確かに列車に人が乗っているのが見える。
少年の証言は正しかったのだ。



宇野は気になっていた領収書に書かれた前田商店を訪れた。
店主に確認するも記憶にないという。
何か隠しているようだ。



調査を進め、領収書は湯けむり荘の支配人、小島の物ではないかという証言を得た。



小島に確認するも自分の物ではないという。
一体誰のものなのか。
そもそも事件に関係あるものか不安になってきた。



現場百篇。
宇野は駅のホームを調べた。
するとホームから下に降りるハシゴを発見。



そこは採石場の跡へと続いていた。



そこにあった旧式のトロッコが気になる。
しかしそれもただの勘に過ぎない。



さらに調べを進めると坑道の入り口を見つけた。
入り口は大きな岩でふさがれている。
だが、ここもなんだか気になった。



トロッコについて駅長に確認すると、やはり以前使われていたものらしい。
運転手や車掌からも同様の証言を得た。



俳句の会に参加していた町長もトロッコは事件に関係ないのではと言う。
同じくメンバーの笹原もそう言った。



いろいろ気になることはあるが、証拠品として持ち歩いている領収書について調べることに。
そして湯けむり荘の女中から、支配人の小島の物だという証言を得た。



雑貨屋では怪しいビデオの貸し出しもこっそり行っているらしい。
8人の乗客たちもビデオを借りて見ていたという。
領収書はその時のものではないかと女中は言った。



小島を問いただすと、確かに自分の物だと認めた。
しかし事件とは関係ないことも分かった。
捜査は振り出しに戻ってしまう。



宇野が宿の部屋に戻ると、テーブルの上に一枚のメモが置かれていることに気付く。
それは女中からのもので、何か話したいことがあるらしい。



指定された採石場の坑道入り口までやって来ると、そこにはこと切れた女中の姿があった。



状況からみて他殺のようだ。
口封じのための殺人の可能性がある。



殺人事件についても調査を進めるうち、宿の使用人であるケンが支配人と険悪な雰囲気になっているという情報を得た。
ケンは女中に好意を持っていた人物だ。



宇野は関係者全員について調べを進めた。
すると俳句の会の笹原が薬草に詳しく、湯けむり荘で薬草湯を行っていたという証言があった。
これもなんだか気になる。
しかしやはり勘だが。



裏山から町を眺めているとき、湯けむり荘の玄関先で言い争うケンと小島の姿が見えた。



宿に戻ると、そこにはケンからのメモがあった。
事件の全てを知っているというケンだが、町を去ると書かれていた。



宇野は小島から事情を聞こうと探しているうちに、家族風呂で湯につかりながら死んでいる小島を発見する。



風呂の中には草が落ちていた。
なぜこんなところに。
これも重要な証拠となりそうだ。



鑑識によると、小島は強い睡眠薬を飲んでいたということだった。
他殺の疑いが出てきた。



温泉に落ちていた草について聞き込みを進める宇野。
すると薬草湯に使っていたもので、笹原の家の庭にたくさん生えているということが分かる。



そんなとき、姿を消していたケンを発見する。
ケンは言った。
8人の乗客は風呂場でみな死んでいたのだと。
そしてそれを発見したのが女中だったとも。



宇野は薬草について調べを進めた。
すると葉は確かに薬草だが、茎は毒性の成分が含まれていることが分かった。
湯けむり荘ではお湯を飲用としても使っていたらしい。
8人はそれを飲んでしまったのだ。
事件の全貌が見えてきた。
自分で考案した薬草湯で人を殺してしまった笹原。
それを知っていた女中や小島を殺したに違いない。



そして8人が列車から消えた事件についても解決した。
そう、8人は列車には乗っていなかったのだ。
そう見せかけることができるのは駅長たちしかいない。



事件は解決した。
廃坑に埋められていた8人の死体も見つかった。



事件が解決した夜、宇野は夕子と小さなレストランで祝杯をあげた。



その夜、2人は一夜を共にするのだった。




 


 

今作は赤川次郎原作の同名小説のゲーム化作品です。
それだけではなく、原画わたせせいぞう、作曲すぎやまこういちと豪華なメンバーが集結した作品でもあります。
今回の記事では犯人の心情やアリバイトリックなどの部分をだいぶ端折って書いています。

実際はトロッコが大活躍しています。

犯人の目星をつける際にもトロッコが関わってきていました。

トロッコに目を付けた夕子の野生の勘によって事件が解決したと言っても過言はありません。

全編にわたり勘が大活躍した作品でした。

 

 

【今回紹介したソフト】

 

 

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