デザイン・クリエイティブセンター神戸(KIITO)で開催中の特別展

「EARTH STATION by AMDL CIRCLE  ミケーレ・デ・ルッキと未来を共有する建築」

見に行きました。

担当するスタッフの方から、展覧会についての情報を聞いたのは2年も前のことで

コロナの影響でミッケーレ氏が来日できず、

開催が延期につぐ延期となり、かなり準備も難航したとお聞きしていたので

やっとのお披露目ということで楽しみにしていました。

 

 

皆様、ミケーレ・デ・ルッキという建築家はご存じでしょうか?

私たちの世代のデザイン、インテリア関係者が、

最初にこのイタリア人建築家の名前を耳にしたのは、

1980年代に活動していたデザイン集団「メンフィス」のメンバーとして

紹介されていた時ではないでしょうか。

時代の空気を色濃く反映しているメンフィスのプロダクトは、

当時のインテリア雑誌やメディアでよく取り上げられていて、

ミケーレ・デ・ルッキが手がけたプロダクトについても

カラフルでポップ、彩り豊かで、華やかなイメージが強く印象に残っていました。

80年代って、いろいろな意味で楽しそうな雰囲気なんですよね。

 

その後、メンフィス以降の活動については、あまり詳しく知らずにいましたが、

今回改めて、彼がデザインしたプロダクトや建築、プロジェクトなどを見ると、

壮大な視点から思索を巡らせ、未来へ向けてのメッセージが、

各プロジェクトに込められていて、とても興味深かったです。

 

 

建築は、単なる物体としての建物にとどまらず、

その土地のあらゆる文化や技術から成り立ち、

それをさらに引き継ぐ役割を担っています。

それぞれの土地や環境から得られる素材を使用し、

そこに根付いた技術を用いて建てられ、

さらにそこでの暮らしに配慮した設計が考えらえていました。

タイトルになっている「EARTH STATIONS」はマクロの視点に立って、

人間の営みや生活をとらえる壮大なプロジェクト。

 

 

建築家ミケーレ・デ・ルッキが考える、未来の理想郷のような概念を

CGや白い建築モデルによってみられる展示になっています。

モデルもとても美しくて、見ごたえがありました。

概念がいくら素晴らしくても、建築として美しくなければ説得力がないので

造形の力というのは、建築でもプロダクトでも、

ものづくりをする上ではとても大切な要素となります。

 

 

会場の入り口付近には、彼が近年手がけたプロダクトの展示も行われていました。

椅子や、照明、ポットなどなど。ミケーレ氏によるとメンフィス時代のものは

プラスティックを多用しているという理由で、今はあまり良しとしていないそうです。

展示されている家具は木製のものでしたし、名作といわれる照明「トロメオ」も

アルミですしね。

 

 

合板で作られたスツールもありました。

このスツールは会場の中で実際に座ることができるようになっています。

 

 

会期は8月7日までとなっていますが、もし建築などにご興味があれば

見に行ってみてください。

これからの理想の世界ってどんなものなんだろう、と視野を広げてくれる

機会になるかも知れません。

 

 

 

 

 

 

※おまけ

壮大な世界観の後に、小さなおまけ話で恐縮ですが、、、

KIITO入り口近くのショップに、トビー君たちがいますので

もし会場に行かれたらショップも覗いてみてくださいね!