~成長~
鼻水を垂らし悔しくて泣きじゃくる『リン』
「悔しいか?」の問いに小さく頷く。
「強くなりたいか?」と聞くと大きく2回頷く。
「じゃあ泣いたら駄目だ。涙と一緒に悔しいのが流れちゃうから。強くなりたいなら我慢だ!心に閉まっておくんだ!出来るか?一緒に強くなろう」
うんと頷くと『リン』は一所懸命泣き止もうとした。
「ピカリン、失敗するのは怖いよな。
でもそれに負けちゃ
駄目なんだ。
ネットでもいい。
アウトでもいい。
次はラケットを思い切り振ろうよ

大丈夫!自分を信じて。
ラケットを振らないって事は、一所懸命練習してきた自分を馬鹿にしてるって事なんだ。」
ピカリンは真っ直ぐな目で僕の話しを聞き理解しようとしている。
僕はさらに続けました。
「ミスしちゃいけない。リンに迷惑かけたらいけないと思って、ただラケットに当てただけのボールを返す。これは見えないピカリンのミスなんだ」
あ~なるほど( ̄∀ ̄)
とピカリン。
さて、2人には通じたのでしょうか。
程なくして再戦のチャンスがやってきました。
さっきとは違った2人が見れると僕は期待していました。
試合が始まり、しばらくしての出来事です。
マユッペ
「オラ~ッ(`ヘ´)」ネットぎりぎりの目の覚める様なストロークがピカリンを襲う

ピカリン
「…オリャ~(-"-;)


驚くみんな
Σ( ̄○ ̄;)Σ( ̄○ ̄;)
いつもは静かなピカリンの気合いと共にフルスイングしたボールは
マユッペ目掛けてさらに加速する
マユッペ
「ウォリャ~ッ


さらに勢いの増したシュートボールをピカリン目掛け打ち込む。
ピカリン
「ゴルぁぁ

みんな
Σ( ̄○ ̄;)Σ( ̄○ ̄;)
ライジングで打ち返したボールはさらに加速する

マユッペ
「

打球はわずかにバックラインを超えアウト。
「ヨッシャ~」
湧き上がる歓声にピカリンはちょっと恥ずかしそう。
やっとの思いで取った1ポイント。
しかしピカリン痛恨のダブルフォルト

Σ( ̄○ ̄;)Σ( ̄○ ̄;)
試合は負けたけどリンは最後まで諦めなかった。
泣かなかった
最後まで声を切らさなかった。
ピカリンもラケットを振る事が出来た。
たった1試合。
されど1試合。
君達はまだまだ大きくなれる…