彼女は鰹節が嫌いだという。
味噌汁の出汁に入ってるだろう、と私が言うと彼女は、味噌汁飲まない、スープしか飲まない、と上の方を向いて鼻を鳴らす。
セブンのおでんはにこにこしながら人の分まで食べるくせに。
あれだって鰹節で出汁とってるんだぞ、たぶん。
昆布かもしれないけど。
そんな彼女だって、このかけそばが出てきたら匂いを嗅いだだけで思い出すはず。
日本人の血液の半分は鰹節でできているということを。
一口飲んだらきっと音をたててそばをすすって食べるに違いない。
そしたら、ヌーハラだって言ってやる。
でも、きっとそうなる前にこう言うに決まってる。
「ネギ、なくてよくない?」と。
やれやれ。
フヂマル・エッセイ 「KAKEーSOBA」 なんちって(^^)
※ この作品は,実話をもとにしたフィクションです。