「俺、〇〇(志望校)に行きたい。」

という息子の受験宣言から早1年半。

 

小4の春期講習から始まった我が家の中学受験生は、

現在小5の夏期講習真っ只中です。

 

1年半、色々なことがありました。

塾選びに始まり、先生との相性、難易度や目指すものとの葛藤、4年夏期講習の掛け持ち、

転塾、新しい塾での難易度に苦戦、物量に苦戦、クラス選び、ゲームの誘惑、

心が何度も折れそうになっては迷い・・・
 

それらについてはまたゆっくり書かせてもらいたいと思いますが、

そんな時、自分の仕事も新連載コラムが2本スタート&最初の書籍出版と、激動の日々でした。

 

小4の春期講習の時はチラッと「長い3年間が始まるのかな・・・」という予感がありましたが、

ここまで信じられないほどあっという間。

 

ということはきっと、同じように来年の夏もあっという間にやってくるのでしょう。

 

長いようで短い時間、「中学受験」というちょっと特殊な環境の中で、

息子と二人三脚、できることなら楽しく過ごしていきたいと思い、色々試みていることを

ここでシェアさせていただけたらと思っています。

これからどうぞよろしくお願いいたします!

 

 

中学受験と言うと、私自身にとっては少し苦い思い出があります。

 

自分自身が第一志望に合格できなかったこと、

勉強はイヤイヤやっていて、

もっとちゃんとやればよかったなと後で後悔はあったものの、自分なりには頑張ったつもりが、

初めての大きな挫折を味わった経験でもあり、

当時の自分の、低い自己肯定感の始まりを想起させるからです。

 

ひとことで言うと、私自身の中学受験時代は、あまり良い思い出ではありません。

 

最寄り駅まで子どもの足で30分歩き、電車で2駅揺られ、

人混みの街の中、重い参考書を背に塾へ通い、

ぎゅうぎゅう詰めの長椅子長机で授業を受け、

これが何に繋がっているのか考えもせず、何のための今なのかわからず、

ただ「やらなきゃいけないこと」に追われていたような記憶。

 

宿題に追いかけられながら、終わらせても終わらせてもやることは山積みで、

暗中模索という四字熟語そのままのような気分だったことを思い出します。

 

秀才の姉とは、塾でも学校でも先生たちに比較され、

何よりも誰よりも自分自身が、強烈な劣等感を感じ、

どんなに頑張ってもその域には行けない焦燥感と絶望感で

居場所がなくなる感覚、自分自身があやふやで定まらない感覚に苛まれていました。

 

そこだけを切り取れば、ちょっと暗~い記憶です。

 

でも、私は両親が用意してくれていたいくつかの滑り止めに引っかかることができ、

結果、私の人生の基礎を作った大切な中高6年間の生活と思い出を手にすることができました。

 

そこで出会った友達、先生、刺激を受けたこと、部活の仲間、頑張ったこと・・・

きっとどの道を通ったとしてもそれで良かったのだと思いますが、

私は中学受験をして本当に良かったと思えることが、沢山沢山あります。

 

「自分の力や頑張りで、人生を選べる」ということを知った大きな体験でもありました。

 

その後の大学受験での勉強の仕方にも、

資格試験などの勉強の仕方にも大きな影響を与え、

全ての基礎になっていたのは中学受験だったと感じています。

 

結果こそ第一志望不合格でしたが、

それまでに経験してきた受験生生活の中で感じたこと・学んだことは、

今思えば人生最初の挫折と達成感、自分と向き合うという大切なプロセスを育んでくれたと思っています。

 

 

できなかったことができるようになる喜び、

頑張り続けること・諦めずに続けること、積み重ねることで時間が味方になること。

 

すぐに結果に結びつかなくても焦らずに粛々と続けることの大切さ、

諦めていた自分にもできるかもしれないと信じられた時の気持ち、

頑張りが形になった時の達成感、

自分自身の力で手に入れるもの・・・

 

厳しい現実も沢山学びました。

 

何かを手に入れるためには何かを手放さなくちゃならないこと、

全部を取れないから何かを「選ぶ」必要があること

「選んだ」自分を後悔しないために、中途半端にしないこと・・・

 

生存競争の価値観

人より抜きん出ることを求められる違和感

プレッシャーや期待

 

だから私にとって、中学受験の頃の記憶は

苦しくてちょっと薄暗いイメージがあるけれど、反面、私を大きく成長させ

その後の基礎や考え方を作ってくれたとも言えます。

 

だからこそ、

息子が受験したいと言いだした時、

過酷な受験戦争が頭をよぎりながらも、

「経験して良かった体験」だったことが何より背中を押してくれました。

 

でも自分が経験したダークサイドはなるべく味わってほしくない、

逆にこの特殊な環境だからこそ感じられること、考えられること、経験できることの

メリットの方を最大限にして受験生活を送ることはできないものか・・・

 

というのが、私の目下の目標となりました。

 

私の仕事が認知行動心理学の分野であること、今面白くてたまらないのが認知科学であることを含め、

大学では臨床心理の専攻でしたが、その後コーチングやアンガーマネジメントを学んだ内容も活かして

これから「しあわせな受験生活」を目指していく日々を、実況中継していこうと思います。

 

あとちょうど1年半。

お付き合いいただけたなら嬉しいです。