そもそも理屈で説明できない行為にどんな言葉を付与してみたところで、それは説明のための説明でしかありません。文字通り理由なき暴力の前には、嵐を待つ人と同じような心境になることがあるのです。
しかし、待つことを止めて嵐に飛び出していくことは逃げることとは違う、というのがボクの想いです。その場に留まり、強制を甘受することが「強さ」だとは必ずしも言えないと思うのです。
そうした意味で主人公の最終選択はあっけないとも言えるけど、それによって幹の太い強さを得たのだから、良かったのではないでしょうか。
ヘヴン/川上 未映子


