ベストセラーと呼ばれる本の大半はそうです。
単に興味がなかったり、あるいは書店でつまみ読みしてみたらつまんなそうだったり、理由は様々ですが、たいていはそのまま読むことなく通り過ぎていきます。
『ノルウェイの森』なんかはまさにその典型で、本の名前は子どもの頃から知ってました。なにせ村上春樹の代表作ですから、知っていて当然ですね。でも読む気がしなかった。
村上春樹は『アンダーグラウンド』と『アンダーグラウンド2』しか読んだことがないという偏った読書傾向を持つボクですが、ジーミソを越えて、なぜだか急に『ノルウェイの森』を読んでみたくなりました。
遠い異国でふと、学生期の恋や苦悩や喪失といったあれこれを思い出して、ちょっと悲しくなった主人公。喪われたものは(心や肉体、記憶も含めて)、もう戻ることはありません。別にそこに後悔の念があるわけではないのですが、なんとなく胸の奥の方をチロチロ刺激されるような切なさが、瞬間込み上げることがあります。
若い頃に読んでいれば、それこそ同時代的に、そして年を重ねれば、追憶のような形で共感できるような気がします。
まあ、およそ日本人らしさのない会話の雰囲気や、起伏の少ないストーリーがつまんないという人がいるのもわかる気がしますが、こういう静的な展開も悪くないです。
一つ前のエントリーの『生きてるだけで、愛』の動的エネルギーに満ちた、ある意味爆発的な愛とは真逆ですね。
ノルウェイの森 上 (講談社文庫)/村上 春樹

ノルウェイの森 下 (講談社文庫)/村上 春樹
