怪物、悪魔、極道、、、、どれもピッタリなようでいてちょっと違う気がする。
怪物も悪魔も、非人間的で酷い存在ではあるけど、そこにはなんだかよくわかんない磁場みたいな力があって、近寄る人を魅了する、あるいは圧倒する存在感を含んでいる。
主人公・金俊平は、一見、それがあるように描かれている。
そうなんだけど、凄まじい暴力性や情慾が、小説の登場人物たちほどには、読み手には伝わってこないというか。ムカムカする嫌悪感は覚えても、魅入られるような力はあまり感じない。
周囲を震え上がらせる迫力と威圧感はあったのだと思う。でも、それが世間をも凌駕するほどかというとそうでもない。所詮コミュニティの中という小宇宙の出来事、コップの中の嵐でしかない。
うーん、どこまでも自己中心的で残虐、な話を3分の2以上くどいほど見せつけられたのに、とひたすら考て、はたと思い立った。
屑。
屑ですよ。屑。
朝鮮人社会の業とか、男のエゴとかで片付けるには、余りにも屑すぎる。やっぱり共感できない。
血と骨〈下〉 (幻冬舎文庫)/梁 石日
