本著『約束された場所で』は、いわばその続編で、事件の首謀者たる宗教団体、つまりは加害者の側にいた信者たちのインタビュー集です。彼らは一連の事の成り行きをどのように見つめていたのか、彼らにとって「あの」宗教団体とは何だったのかを、またしても現場から聞き出そうという試みです。
当然ながら事件に直接関わった幹部に聞けるわけもないので、一般の信者(あるいは元信者)という事になるわけですが、彼らの会話のはしばしからは、団体へのある種のシンパシーというか、特別な体験を共有した者への眼差しの柔らかさを感じ、強い違和感を覚えた。
どことなく言葉が浅いところを上滑りしているような、論理と理屈で塗り固められたフィクションからまだまだ抜け出せていないのだと思った。
約束された場所で―underground 2 (文春文庫)/村上 春樹
