また、明治天皇ほどおおきな変化の中に置かれた天皇もいなかったのではないでしょうか。
時代の激流に押し流されることなく、日本の近代化の道しるべとして君臨し続けたのは間違いなく明治天皇でした。
しかしながら、「天皇」を免罪符のようにして自分たちの意のままに振る舞った元老や官吏、軍人たちの暴走の萌芽は、この明治時代から少しずつ顔を見せだしていることも事実です。
将軍(権威)の代わりとなるもの、それがたまたま朝廷だっただけなような気がしなくもありません。残念ながら、天皇を取り巻く人物たちに、天皇に対する畏敬があまり感じられないからです。
「慇懃無礼」、なんとなく思い出しました。
明治天皇 4 /ドナルド・キーン
