家族で、よくカラオケに行った。
1人親で、みんなにいつも寂しい思いをさせているので、離婚後は月一度は美味しいものをご馳走するのと、カラオケ、温泉施設など、ストレス発散の場を定期的に作っていた。
ストレス発散はもちろんだけど、子供たちとのコミュニケーションの場にもなっていた。選ぶ曲から子供たちそれぞれの今の傾向や、嗜好、気持ちを汲み取るのにカラオケは最適だった。
三女が好きだったのは米津玄師やRADWIMPSなど。男の人の声の高さで上手に歌ってた。あと、流行りのダンスものは長女とよく踊ってたなあ。
欅坂46のサイレントマジョリティもよく歌ってた。思春期で共感してたのだろうなあ。平手ちゃんに憧れてたなあ。
私も長女も東京事変が好きだったから、色々歌ってた。
知的、精神障害のある次女は、絶対音感があり、耳から覚えた言葉をリピートする能力に長けているので、私たちが歌ったものはすぐに覚える。入院中、カラオケ大会があった時次女が歌ったのは
丸の内サディスティック♫
ピュアで小柄で無垢で繊細な次女が突然にきわどい曲を完璧に歌い出したので、看護師さんも患者さんも唖然としたそう。
三女はその話を聞いて、お腹を抱えて姉のことを可愛い可愛いと笑ってた。
四女の好きな曲もよく知っていて、これでしょと入れてあげてた。上手く歌えないと、一緒に歌ってあげてたな。優しかったね。
コロナで、すっかりカラオケにも温泉にも行けず、それどころか友達とカラオケに行ったという三女に
感染したらどうするの?
と責めてしまった。もう、ストレス限界だったのにね。ごめんね。
私はよく、大好きな事変の"透明人間"を歌って、
"ママのお葬式でかけてね〜♫"
と冗談で言っていた。
娘たちは口を揃えて、ママが死んでからも透明人間になって側に居そうで怖〜い‼️
と笑ってた。
あなたの方が先に透明人間になるなんて、夢にも思ってなかったよ。
でも、今はあなたに1番似合う歌詞になったと思う。
透明人間ではないけど、また逢えるのを楽しみに待っててね。それまで、ママは頑張りますからね。みんなを見守ってね。
"透明人間"
(東京事変)
僕は透明人間さ きっと透けてしまう 同じひとには判る
噂が走る通りは 息を吸い込め 止めた儘で渡ってゆける
秘密も愉しいけれど直ぐ野晒しになるよ それを笑わないで
好きなひとやものなら有り過ぎる程有るんだ 鮮やかな色々
あなたが笑ったり飛んだり大きく驚いたとき
透き通る気持ちでちゃんと応えたいのさ
毎日染まる空の短い季節
真っ直ぐに仰いだら夕闇も恐ろしくないよ
僕は透明人間さ もっと透けて居たい 本当はそう願っているだけ
何かを悪いと云うのはとても難しい 僕には簡単じゃないことだよ
一つ一つこの手で触れて確かめたいんだ 鮮やかな色々
あなたが怒ったり泣いたり声すら失ったとき
透き通る気持ちを分けてあげたいのさ
毎日染まる空の短い季節
手を叩いて数えたらもうじきに新しくなるよ
恥ずかしくなったり病んだり咲いたり枯れたりしたら
濁りそうになったんだ
今夜は暮れる空の尊い模様を真っ直ぐに仰いでいる
明日も幸せに思えるさ
またあなたに逢えるのを楽しみに待って
さようなら