俺の思いが、文字になっている。
うそ…
なんで…?
瞬時に涙が溢れた。
「大当たり、だろ?」
声が出ない。
うん、うん、と…
ただただ頷く。
なんで…
なんで、わかんだよ…
「ばーか」
「何年一緒にいて…」
「何年おまえのこと見てると思ってんだよ」
智はそう言うと…
僕を優しく、抱き寄せた。
「今はまだ無理でもさ…」
「いつか」
「いつか必ず」
「俺とおまえは籍を入れる」
「これは、願いっつうか…」
「決定事項、だな」
智のそんな…
当たり前みたいな言い方に。
本当にいつか、そんな日が来る気がして…
俺は、柄にもなく、泣きじゃくった。
「…てか…」
「…いつかっていつよ?」
散々泣いて…
智に笑われながらぐちゃぐちゃの顔を拭いてもらって。
カレーを膝の上で食べさせてもらいながら…
俺は聞いた。
「さぁ…」
「いつだろうなぁ…」
「…あんたね」
「んな悠長なこと言ってたら…」
「俺もあんたも一瞬でジジイになっちゃうんだからね?」
「ちゃんといつ、って短冊に書こう!」
「言霊はあるっていうし」
「書いたら叶うかもだから」
はいはい…なんて俺の勢いを上手にあしらいながら…
智は俺の口にスプーンを運んでくれる。
「で…いつにしよう?」
「そうだなぁ…」
「あ!次の777までに、でどう?」
「777?」
「次の元号の7年7月7日」
「平成7年7月7日から今日までで30年だって」
「30年ということは…」
「その頃俺は74で…」
「俺は71」
「…だいぶ先だな」
「でも30年後ならさ?」
「俺と智も普通に…」
「同じ籍に入れる世の中が…」
「来てるかも、だもんね」
「30年、か…」
「そこまで元気でいねーと」
智は小さく呟くと。
「じゃやっぱ…」
「“健康第一”だな」
そう言った。
「…だね」
俺達は二人して笑い…
どちらからともなく、キスをした。
