大宮BL小説です。

閲覧ご注意ください。



15  





大野さんは…
俺の、独占欲を。


そんな風に、捉えてくれたんだね。





…そう。
そうなんだよ。


一番最初より、一番最後。



最後の最後の終わりの時に…

俺は、大野さんのそばにいたい。



ホント、そう思ったんだ。




どこへ行っても、だれといても。


最後に帰るのは俺んとこ。



大野さんの最後は…

最後だけは、俺に欲しい。



そんな風に、思ったんだよな…



ほら、紅白だってさ?

トップバッターももちろん大役だけれども。


なんといってもやっぱ…

大トリ、だろ?






智「だから…」

「俺もさ?」



「おまえの最後」

「最後の最後に、なりてぇの」



「それこそ…」

「日付変更線の、一番近く」

「大切な日の、最後の最後を」





智「んでさ?」


「人生の…」

「鼓動が止まる、最後の最後も」


「…おまえと、なんて…」





「…そんなさぁ」


「柄にもねーこと、思っちゃってんだよ、俺」






甘すぎる…
大野さんの告白。



俺は、自分の臍の前で組まれてる…
大好きな手に、自分の手を重ねた。





智「…まぁでもおまえもさ?」


「今は頑張んなきゃいけねー時だって…」
「さすがに俺でもわかるから」



「おまえは無理でも」

「せめて…」


「俺だけでも、あそこに立って…」


「おまえの誕生日の、最後の最後を」
「俺のもんに、したかったんだ」






智「…かず、こっち向いて?」




素直にくるり、と…

寝返りを打って、大野さんと向き合う。


大野さんは、俺の髪を、優しく撫でて…



智「…遅くなったけど…」


「誕生日、おめでと…」



そう言った。







この間も、その前もずっと…
直視できなかった、甘い視線。


俺は真っ直ぐに受け止めた。



和「ばか」

「遅い…」


「遅刻」

「大遅刻」



「それこそ最遅だし…」




ふふっと二人、笑い合う。

自然とおでこがくっついた。





*明日、最終話です!