大宮BL小説です。

閲覧ご注意ください。



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多分…


俺の人生史上…
最悪の黒歴史となるであろう、愛の告白に。



携帯の中の大野さんは…

驚くほど、優しい笑顔でこう言った。



智『おまえはホントに…』

『しょーがねぇやつだなぁ』




『しょーがねぇから』


『…速攻帰ってやる』




『で…』
『帰ったら…』


『ぐっちゃぐちゃの、ドッロドロにしてやる』



『…覚悟、しとけよ?』














智「俺…」

「あそこにおまえ、連れてきたかったんだよな…」



そう言って、大野さんは…

俺の首筋に、キスを落とした。





あの後、大野さんは…

さすがに
「どこでもドア」とまではいかなかったけど。


「タケコプター」は作ったんじゃないの?
ってくらいのスピードで。


遠く離れたニウエ島から…
俺の待つ日本へと。

超特急で帰ってきた。



そして、宣言通り。


…いや、それ以上?



ぐっちゃぐちゃの、ドッロドロの…
バッキバキに。


俺を貪り尽くした。






そうして今…

やっとピロートークを楽しめるくらいに落ち着いて。

イチャりながらまったりとした時間を過ごしてるんだけど…



和「…え?」



大野さんの温もりを背中に感じながら…
包まれる腕の安堵感に酔いしれていた俺は。


スリーテンポくらい遅れて、聞き返した。



智「ほら、あの…」

「なんつったっけ?」


「エニウ、だっけ?」
「あ、ウニエか」



和「…ニウエです」

「ニウエ共和国」



智「あ、それそれ」




智「ほら、俺の誕生日ん時にさ?」


「おまえ…」
「一日の終わりのさ」


「最後の最後に、祝ってくれたじゃん?」



和「…うん…」





智「あれ、妙に刺さったってか…」



「一番におめでとう言うことに」
「死ぬほどこだわってたおまえがさ?」


「最後」
「一日の、ほんとに最後の時に…」


「おめでとうって言ってくれたことが…」





智「これから先…」


「一日の終わりも」
「なんなら一生の終わりだって」


「“最後は俺”」

「シメは俺、って…」


「そう言ってくれてるみたいな気がしてさ?」





智「なんか…」



「すんげぇ…」


「嬉しかったんだよな…」