大宮BL小説です。
閲覧ご注意ください。
先にこちらをお読みください♡
和也 18
その晩また僕の元を訪れたサトに、いいように抱かれて…
僕の熱った身体はなんとか落ち着きを取り戻した。
こうしてサトは…
「殺し屋」としての任務は遂行せず。
「夜伽係」として毎晩毎晩…
僕の前に現れた。
「夜伽係」としても極めて優秀なサトに、開発された僕は…
気づくと、二つの欲の奴隷となってしまっていた。
一つはもちろん…
性欲の奴隷。
しかしこれは決して…
サトに屈したのではなくて。
毒に全身をじわじわと侵食されていく感じとか。
ゆっくりと、でも圧倒的な力で僕を迫り上げる、ほとばしりの力とか。
抗うのに…
結局最後には、どうしようもなく大きな波にのまれてしまう感じとか。
行為の大半が苦しいのに…
最後の…
えもいわれぬ瞬間が欲しくて…
すぐに次を求めてしまう感じ。
そんな…
自分の中にあった、性欲。
その奴隷に…
僕は成り果ててしまったのだった。
たまたまその相手がサトだった…
ただそれだけのこと。
サトに目覚めさせられた、自分の中の性欲。
僕はそれになすすべなく飲まれていった。
日中は淡々と…
いつもの、人形のように。
何も考えず公務をこなす。
でも、夜になれば…
自分がどうとか、感情がどうとか…
そんなこと考えていられない程に…
僕はサトと交わった。
全身を襲う苦しみとその先の解放。
サトの一部を取り込みながら…
派手に自分を放ち…
そのままベッドの海へ沈む。
一度沈んだ肉体はもう…
指一本、動かすことができなかった。
そして、もう一つ。
僕が奴隷になってしまったもの。
それは…
フーマ「…ま、…ナリさま…」
「朝に、ございます」
その声に、飛び起きる。
そして、自分の顕わになった素肌にまたハッとして…
慌ててシーツを手繰り寄せる。
また、やってしまった…
和「もうよい!下がれ!!」
半ば八つ当たりのようにそう叫んで…
僕は浴室の扉を力強く閉めた。
そう。
僕は…
睡眠欲の奴隷となり…
行為の後の沈んだ意識を、浮上させることができなくなっていた。
毎晩抱かれるから、毎晩よく眠れる。
そして、毎朝寝坊するようになった。
「また眠れなかった」
そう思いながら朝焼けの色を眺めていた、少し前の僕には考えられないこと。
今まで取れなかった睡眠を、取り返すかのように…
僕は、睡眠を貪った。
*次回は明日12時
蓮さん家(智サイド)
です!