大宮BL小説です。
閲覧ご注意ください。
「あなた…」
「大野部長にお金の無心してるってホントなの?」
終業後…
話がある…と、お局様から呼び出された僕。
指定された、例のお汁粉自販機の前に行くと…
そこにはお局様とその金魚の糞達が…
僕の登場を手ぐすね引いて待っていた。
挨拶すらなく…
いきなりこんな言葉を投げられる。
「…は?」
僕の声をかき消すように…
お局様は、言葉を被せる。
「課の女の子が見かけたって」
「二宮くんが部長から…」
「一万円札、受け取るところ」
「…一体なんのお金なの?」
そう言われてハッとする。
つい先日。
砂糖代を次回のご飯会で請求します…とLINEしたら。
長い廊下のすれ違い様。
「これ」
と、万札を渡された。
もらいすぎだし、ご飯会の時でいい…と言おうとしたのに…
「悪ぃけど急ぐから」
そう言って…
大野さんは行ってしまった。
僕はしかたなく…
それを自分の財布に入れたんだ。
あれ…
誰か、見てたんだ…
「周り見ながらコソコソと…」
「明らかに怪しい感じだったらしいじゃない」
「一体なんのお金なの?」
「わかるように説明して」
いや、別に…
怪しい感じだなんて。
そんな雰囲気出した気は一切なかったんだけど。
あまりにも決めつけられた言い方に、なんだかカチンとくる。
お局様の言葉の圧に負けないように。
僕は黙ったまま…
じっと視線を投げた。
そんな僕に…
お局様は、攻撃の手を緩めない。
「…前からずっと気になってたのよね」
「あなたの大野部長にだけ擦り寄る感じ」
「コーヒーも別に誰が淹れてもいいのに」
「自分の仕事です、みたいな顔して」
「一体何様?」
「庶務のくせに」
やっぱりこの人は、この課の女子達は。
僕のことを馬鹿にしている。
その僕が、大野さんと仲良くすること。
それが我慢ならないのだ。
「とにかく」
「大野さんから、なんでお金をもらったのか」
「納得できるように説明しなさい」