大宮BL小説です。
閲覧ご注意ください。


























そんなこんなで…


僕は毎週末、大野さんとメシをご一緒するようになった。




最初は…
外食を楽しんでいたんだけど…


肉汁の一切出ないハンバーグや、ジューシーさの抜けたカリカリ唐揚げ、焼きすぎなくらい焼いた肉など…


本当に食べたい自分好みのものは…
外にはあんまりないことがすぐにわかった。



だから僕は大野さんに…
食材の支払いと大野家という場所の提供を依頼した。


…だってさ?
大野さん家のキッチン、すごく広くて使いやすそうで…

使ってみたいなーなんて、思ってたんだ。




それに、あの最初の日以来食事のシメは…

大野家で作る「カフェクバーノ」と決まっていて。

結局大野家に毎回足を運んでいる。



ならもう大野家で作って食べた方が、お金も安くて済むし…


何より…
二人でのんびり楽しむご飯は、作る過程も味わう時も…
本当に美味しく、楽しくて。


どこの高級料理も敵わない気がした。







そんなわけで。

『金曜の夜は大野さん家でご飯を食べる』

これが僕ら二人の定番となりつつあった。



やってるうちに…

僕がキッチンで料理を作る…ってだけにとどまらず。

リビングにコンロやホットプレートを置いて、ご飯を楽しむことも増えた。



鍋をつついてしっぽり飲んだり…

ワチャワチャしながらたこ焼きしたり。

餃子をいっぱい包んでホットプレートで焼いたり。

大野さんたってのご希望で、パンケーキを作ったり…




そうやって僕達は…

秘密を共有しながら…
同じ時も、共有するようになっていった。




物理的に縮まった距離。
それが心地いい。



でも…
プライベートが充実する分…


仕事はどんどん、やりにくくなっていった。