大宮BL小説です。
閲覧ご注意ください。



最終話です。


















「…え、これ…」


わけも分からず智に視線を送る。

お買い物って…
一体、何を…?


「…指輪」

「買おうと、思ったんだけど」



智の言葉に…
ドキン、と胸が鳴る。
手が震える。

クッキーを落としてはいけない。

僕はぎゅっと箱を握り直した。



「俺、どんなんがいいか…」

「全くわかんねーから…」



指輪を身につける。

僕にとってそれは…
単なるファッションではなくて。

それなりの意味合いが、あって…



「…一生つけるもんだし」

「やっぱおまえが気に入ったもんの方がいいと思って…」



「なぁ、和也」
「これで、さ…」



智は僕の手の中にある「お買い物券」を見つめた後。
僕の顔を真っ直ぐ見て言った。



「俺と、一緒につける…」

「結婚、指輪」


「買いに行ってくれる、か?」






「…智!跪いて!」


不意に外野から声が飛ぶ。


「母さん、黙って!」

「そうだ、余計なちゃちゃを入れるな!」

「だって一生に一度のプロポーズなんだから!」
「跪かなきゃダメよ!」



外野の声が無視できなかったのか…
苦笑いしながら、僕の前に跪く。


そして、もう一度…
智は、言った。


「去年…」
「ロヴァニエミでも、言ったけど…」


「俺達は男同士だから」
「手続きとか、いろいろ時間がかかるかも、だけど」


「それでも…」


「俺と、結婚して…」

「一生一緒に、いてくれませんか?」





嬉しくて。
嬉しすぎて…

僕は「はい」って言いたいのに。
答えはそれしかないのに。

出てくるのは涙ばっかりで…


そんな僕を、智は優しく抱き寄せた。



「…イエスで、いい?」


囁くように聞かれる。

僕は、何度も何度も…
智の腕の中で、頷いた。



3人からの、盛大な拍手。


僕は…
こんな祝福の中に自分がいることそのものが、夢のようで…


唯一現実だと感じることのできる…
ジンジャークッキーの箱をまたぎゅっと、握りしめた。






「お買い物券か…」

「何だか懐かしいなぁ」



おじいさんが呟く。



「昔よく智がくれたなぁ」
「まだどこかにあるんじゃないか?」


「あら、私ちゃーんと持ってるわよ?」
「智からもらった肩たたき券!」
「今日はそれ使いましょ♡」
「かずくんにもあげるわー!」


「いつの話だよ…」
「有効期間とっくに切れてっから」


「あら、そんな記載どこにもなかったわ!」


「…マジかよ…」
「何やってんだ、昔の俺…」


「…俺はそんなのもらったことない…」


「だって親父忙しかっただろ?」
「あげようと思ってもいねーんだもん」


「じゃ今受け取るから今くれ!」


「なんで今更…」



楽しそうにわいわいと話をする4人。
僕は智にぎゅっと抱きしめられたまま…
その楽しい会話を聞いている。




父さんはまた今年も…
去年と同じくらい素敵な…
夢のようなプレゼントを用意してくれていた。


僕はもういいって…
大丈夫って、言ったのに。


やっぱり僕は特別で…
やっぱり僕は、あなたの息子なんだね…



またいつか…
今日のお礼を伝えに行こう。


そして僕も、肩たたき券…
父さんにあげたいな…



今日はきっと…
会えないけれど。
でもあなたのために祈ろう。


願いごとは今…
あなたの幸せ。
ただそれだけ。









*お付き合い頂きありがとうございましたー!
こちらにあとがきはありません☆

本編では…
💙二宮
💛大野さん
と呼び合っていた二人が…

こちらのお話では…
💙和也♡
💛智♡
と呼び合うまでにラブ

そんな風に関係を深めた二人💙💛の…
幸せなクリスマスのお話🤶🎄

楽しんでいただけてたら嬉しいでーす♡

皆様、素敵なクリスマスをお過ごしくださいませ♪♪

蓮さん♡
#クリスマス企画
ありがとねーおねがい


明日から通常営業に戻りまーす♡