大宮BL小説です。
閲覧ご注意ください。
先にこちらをお読みください♡(和也サイド)
「俺達の家で待つ」
そう言った和。
華奢な身体の奥にある…
俺への深い愛を感じる。
俺が抱く和への想い。
それと同じものを…
あいつも俺に、持ってくれている。
これはきっと…
この世界に生きる人それぞれに。
形を変えてやってくる、小さな小さな…
でも、決して当たり前ではない、奇跡で…
俺の奇跡は、これでよかった。
…いや、これでじゃない。
これがよかった。
これしかいらない。
今更ながら強く思った。
離れる前日も…
一緒にいる、何気ないひととき。
その過ぎゆく一秒一秒を、大切に過ごす。
和「休みの日に、会いに行っても、ええ?」
もちろんや。
なんなら俺が、十三に帰る。
どこかまで迎えに行ってもいい。
会いたい。
一瞬でもいいから…
俺達の思いは同じだってことを、和の身体に刻み込む。
それでも濃くなっていく横顔の影に、たまらなくなって…
俺は何度も何度も、己を送った。
そうして和の元を旅立った俺。
運転する軽トラは、近畿道から阪和道、南阪奈道をぬけ京奈和自動車道へと入る。
高野山はもうすぐ。
意外と近いんやな…
そんなことを考える。
櫻井や松本、壇さんや相葉ちゃんにも…
柄にもなく頭を下げて、和を頼んできた。
多分和は大丈夫だ。
って…
和のことばっか言うてるけど…
俺こそ、大丈夫なんやろか?
不意に、昨夜の約束を思い出した。
智「…毎晩電話する」
「必ず」
和「うん」
少し色の悪い頬を撫でる。
多分それは、離れる不安の色。
俺は、そこが少しでも…
色付いて欲しくて、こんなことを呟いた。
智「…俺がな、一日の最後に…」
「おやすみって言うんは」
「…おまえだけって決まってる」
「どこにおっても、何してても」
「それは絶対に変わらない」
和「大ちゃん…」
智「だからおまえもな?」
「一日の終わりに…」
「おやすみって言うんは、俺にだけ」
「…わかったか?」
和「…うん」
智「毎晩電話で言うんやぞ?」
「俺だけに…」
「おやすみって、な…?」
潤んだ瞳をゆっくり伏せて…
和は大きく頷いた。
あの約束。
それがあれば頑張れる。
何があっても一日の最後に…
愛しい人の「おやすみ」を、聞くことができれば…
俺は、緑の濃くなってきた風景に視線を送りながら…
その小さく細い、でも決して切れない和との繋がりを…
ぎゅっと握りしめた。
*次回はこの後11時26分、和子ん家です!
