大宮BL小説です。
閲覧ご注意ください。
久しぶりに会うしょーちゃんは、スーツ姿も板についた立派な社会人になっていた。
絵に描いたような一流企業のバリバリの営業マン。
そんなしょーちゃんから
「ニノ、スーツ姿かっこいいね」
なんて言われて、ちょっと俺は浮かれていた。
だからこそ、今の話のダメージは人一倍だった。
「そ、留学。…コンクール優勝の副賞だって」
「もうだいぶ前から決まってたみたいだけど」
最近会ってなかったからなーなんてしょーちゃんは呟いた。
多分俺もその口だと思ってんだろうな。
…残念ながら昨日も一昨日も一緒にいたんだよ、俺は。
そう言われてみれば、少しの違和感は感じていた。
ほぼほぼアトリエで過ごしてる人だし、元々物のない部屋だから、荷物がどうこう…って事じゃないんだけど。
なんだろう。
よそよそしさが日に日に増していた気がする。
あの人の気配っての?
そういうの、あのマンションからどんどん薄れてた。
俺としたことが…
気づいてたのに、見ないフリしちゃったな…
「来週だって、早いよね」
送別会したかったんだけど…としょーちゃんは続けた。
「…それが、嫌だったんじゃないの?」
グラスを置いて俺は言った。
「…あの人らしい」
そう、あの人はそういう人だ。
俺とそうなったのだって、なんとなく。
だから、自分からは終わりを告げられない。
なんとなく、俺から去っていくつもりなんだよね。
あの人のそういうずるさに腹が立つ。
でも、そういうあの人に、俺は…
どうにもならない思いに、俺は苦笑するしかなかった。