大宮BL小説です。
閲覧ご注意ください。
「…全然、変わってなくてさ」
「そのことに一番ビビったんだけど」
「やっぱ、足、すくんだわ、いい歳してさ」
「でも…」
「どうしても、欲しかった」
「…星の砂、28個」
「どうしても、おまえの歳の数だけの…」
「星の砂が、欲しかったんだ」
「俺は、おまえに…」
「幸せになって、欲しいから…」
大野さんのデスクにあった、小さなボトルと同じもの。
それが今、俺の手の中にある。
大好きな人が、自分のために…
拾ってくれた星の砂。
俺の…
幸せを、祈って…
涙がボトルの上にぽたん…と落ちた。
滲む砂。
まるでそれは…
俺の幸せがぼやけているように、俺の目には映った。
俺の幸せは…
一体、どこにあるのだろう。
その小さなボトルの中?
それとも大好きな人の祈りの中?
違う。
違うんだ。
幸せを祈って欲しいんじゃない。
俺は…
俺の幸せは…
大野さんの隣にしか、なくて…
「…にの」
大野さんは呼びかけ…
ボトルごと俺の手を握って、言った。
「おまえの幸せを」
「俺に…」
「俺だけ、に」
「作らせて…くれないか?」
驚いて顔を上げる。
そこには…
大野さんの真っ直ぐな眼差しが、あった。
「俺はずるくて」
「身勝手なやつで…」
「自分だけ逃げて」
「たくさんにのを傷つけた」
「…だからにのが」
「今更なに、とか…」
「もうないから、とか…」
「そう思っても、仕方ない」
「…自分でもよく、わかってる」
「…でも」
「それでも」
「俺は、どうしても…」
「にのの手を、掴みたい」
「…俺にはにのが、必要なんだ」
「幸せの星の砂ん中にある、にのの幸せ…」
「俺に、作らせてほしい」
「にのはただ…」
「俺のそば、に…」
「そばにいてくれるだけでいいんだ」
「必ず、幸せに…」
「幸せに、するから…」