大宮BL小説です。
閲覧ご注意ください。
「…俺が残るよ!俺がニノちゃんの看病する!」
「…いいよ、相葉さんも行って」
「でも…」
「大丈夫だって、ゆっくり寝させてもらうから。寝るのに相葉さんがいたらむしろ邪魔」
「…ひどい」
への字に口を曲げた相葉さんを見て、なんとか笑う。
相葉さんは多分、気づいてる。
俺の体調の悪さが、精神的なものだってことに。
でも、あえてそこは、知らん顔してくれてるんだもんね。
俺が気づいて欲しくないって顔、してるから。
「てか俺が残るわ」
ジュンくんが何故か手を挙げた。
「俺、毎日かあちゃんの顔見てっし。別に俺いなくても…」
「ジュンくんが行かないとか絶対ないから」
被せ気味に却下する。
優しい人だから、こんな訳の分からない提案するけど…
お母さんにとっても、ジュンくんにとっても。
一番祝って欲しい相手で、一番祝ってあげたい相手。
一番行かなきゃいけない人にまで、こんな気を遣わせるなんて…
「お願い。俺のために、みんなで行って?」
「これでもし誰か一人でも行けなかったらそれこそ俺、申し訳なくて辛い」
「それじゃなくても俺がいけなくて、申し訳ないって思ってるのに…」
「俺のこと、思ってくれるなら…お願いだから行って?」
俺は一生懸命笑顔を作った。
見えなくなるまで何度も何度も俺の方を振り返りながら、サトシはジュンくん達と旅立ち、俺は貼り付けた笑顔をやっと外し、項垂れたままベッドに潜り込んだ。
身体が鉛のように重い。
ふとフィギュア達のいる棚に目がいく。
この位置からでは、あの子達の顔は見えない。
急に寂しさが込み上げて、俺は涙を拭った。
顔を埋めた枕からふとサトシの香りがして、昨夜のサトシの声が聞こえた気がした。
「…大丈夫」
「俺が…そばに、いる」
目蓋を閉じると、サトシの残像が映った。
サトシ…
まるで、そのままベッドのスプリングに吸い込まれるかのように、俺は眠りについた。