大宮BL小説です。
閲覧ご注意ください。
「…ろ…しろ…しろ…わかるか?」
イチ兄の声が遠くから聞こえて、ゆっくり覚醒する。
目の前にはイチ兄の心配顔が、あった。
「…い、ち、にい?」
「あ…戻ったか?よかった…」
ギュッと抱きしめられる。
僕もゆっくり腕を回した。
「急に反応なくなったから、びっくりした…」
ちゅ、とおでこに一つキスを落とし、イチ兄は再度僕を抱き込んだ。
「え…ぼ、く…」
「たぶん飛んでた」
「あ…」
イチ兄にぎゅって抱きつきたいのに、力が入らない。
少し汗ばんだ背中を掴むのに、ズルっと何度も手が落ちた。
なんだかもどかしくて一生懸命しがみつく。
離れたくなくて、力を手に込めるけど、思うようにならない。
「いや…」
イチ兄の胸の中でイヤイヤする。
もっと、もっと、近づきたい。
少しの隙間も、嫌なの。
このまま溶けて、一緒になれたらいいのに…
「大丈夫」
腰を抱かれ、ぐっと引き寄せられる。
ぴったりと隙間なく重なる。
ひとつに、なる。
「絶対離さねぇから」
顔をあげると、優しいキスが、鼻先に降ってきた。