大宮BL小説です。
閲覧ご注意ください。
「…マジで痛い」
後頭部をさすりながら、智が言った。
智の膝に向かい合って座っていた俺も同じように智の後頭部を撫でる。
「ごめんね?」と上目遣いに言うと智はフニャッと笑ってキスをくれた。
しばらく甘い空気が漂ってたんだけど、じいちゃんの再来が怖くて俺が膝から降りたのが気に入らなかったようで、智は不貞腐れながら言った。
「もっと」
「…かずにさわりたい」
「足りない」
「全然、足りない」
「…俺も」
てかそもそも?
二人きりの時間が取れさえすれば、こんな台所で盛る必要性もないわけで…
毎回毎回食器棚に突き刺さる智の身にもなってあげないと。
このままでは食器棚のガラス戸が壊れて、智の頭にガラスの雨が降るのも時間の問題だ。
それだけは避けないと…
「…てか、なんでおやっさんからゴーサイン出ねぇのかなぁ」
「…わかんない」
元々じいちゃんは俺たちの交際に賛成だった。
智の相談に乗り、俺の気持ちを確かめるために一芝居うつくらいなのだから。
なのに…
俺達が提案した二人暮らしについては、何故か難色を示した。
「ここにいればいいじゃろ」の一点張りで、俺らの話に一切聞く耳を持たないような感じだった。