雨音と Saxと | 銀の月 言の葉の夢

銀の月 言の葉の夢

♫♦*゚¨゚・*:..。溢れる思いを☆.。.:*言の葉に乗せて・°☆.。.:*

 
イメージ 1
雨のしぶきが 心地よくて
開け放した窓辺に
ずっと 佇んでいた
 

 
一呼吸おきに交差する 雷鳴と稲妻
イオンをたっぷり含んだ空気が
疲れ果てた身体に 行き渡る気がした

昔 好きだった人が貸してくれたアルバム
はじめて聴く曲なのに 懐かしい気がした

私の好きな曲・・・
彼は 私の好きだろう曲を よく知っている

いつか 彼が言った

『俺達って全然違ったタイプだけど… 似てるよな』って・・・

私が片思いしてるなんて
これっぽっちも 気付きもしないで
私に笑顔向けたっけ・・・

だけど、ほんと そう思う
何も語らなくとも
心が共鳴する感じ
なのに それ以上には
けしてなれない・・・

それは
厚くてやわらかい壁が
二人の間にはあって
お互いの優しさや思いやりを
その壁が静かに吸収しているような関係

はじめてサックスに触れたのも
彼が教えてくれたから
サックスって こんなにも心に
語りかけるものなのかって
感動した

言葉より そこには言葉があった
でも、はじめて聴いた曲では
サックスが泣いていた
泣いているように哀しく 心に響いた

たぶん 私の心が 泣いていたから かもしれない

今、雨音の中に流れる曲は
バイオリンとピアノのバラード
とても切ないセピア色の思い出のようなメロディ

『これ、お前好きだと思うよ 特にこれなんか』って
いきなりくれたんだよね
そして、ほんとに彼の言った通りだった
 

今でも 店先なんかで
サックスの甘いメロディが流れると
ふいに思い出す
 
あの時の 
優しいメロディ
優しい旋律 

そして
優しいまなざしを・・・