それは きっと
貴女だったのかも知れず
気が付いていたのに
気付かない振りしていただけ
なのかも知れず…
あの日
あの時
ふわりと香った
懐かしい香りに
おもわず振り返った僕
古いレンガの壁の陰に
薔薇の花びらをそっと揺らして
消えてしまった後ろ姿は
そう
たしかに 貴女だった
それとも…
薔薇の香りに惑わされた僕の
見間違いだったのだろうか…
☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・☆*:..☆.。
想い出と結び付いてしまった香りは
忘れようにも忘れられないものです。
忘れてしまった想い出さえも
呼び覚ます香り。
それは時に、哀しみとセットだったり
辛さや切なさとセットだったりするものだから
不意打ちされると困っちゃうんですよね。
私の場合、
カサブランカ(白いユリの花)
その 気怠く甘い香りを嗅ぐと
少し 切なくなって
泣きたくなります…。