目の前に小学生が育ていてるようなアサガオがあって

その奥に背の小さな手入れされた植え込みがあって

一面の緑に小さな白い花が点々と咲いている。

その奥にはただただ青い空が続いている。
屋上だったかもしれない。

すると植え込みに一匹のアゲハ蝶がとまった。

何気なく見ているとその蝶が変わっていることに気づいた。

向かって右側の羽はキアゲハで
向かって左側の羽はクロアゲハだった。

私はその蝶が行ってしまう前に

…行ってしまわないように

静かに

急いで

手に持っていたケータイで写真を撮ろうとする。


なかなかうまく撮れなくて

そのうちにケータイは充電がきれてしまった。

私は焦ってお母さんのケータイをとってきて動画を撮ることにした。


その後ろでお母さんはなにやらドタバタしている。

お願い
静かに。

蝶が飛んで行ってしまう。

でも

たかが一匹の蝶
どうでもいいだろう

そんな感じでお母さんは興味を示さない。

いつの間にか
蝶がとまっている植え込みの隣に

いかにも場違いなテーブルが出てきていた。

そこにお母さんが
ガラスのコップに入った飲み物を

無造作にガチャンと置いた。


それでも蝶は飛ばなかった。


蝶を撮ろうとしてもアサガオの葉がうつりこむのがもどかしかった。


でも何度でも取り直しができるほど

その蝶は長くそこにいた。



不思議な蝶がいたんだ
こんな蝶がいたんだよ

でも誰も信じてくれなかった

だからすっかり充電が終わった自分のケータイの写真を探した。

そこには普通のキアゲハがうつっていた。

あわてて動画も確認してみた。

じーっとみた。

開いたり閉じたりするその羽には

ほんの少し青色の面積が違うという違いしかなかった。


お母さんのケータイで撮った動画もみてみた。

そもそも写真も動画も撮れてなどいなかった…






















…という夢を見た。